検察は、内乱首謀の容疑で刑事裁判を受けている尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領を職権乱用の容疑で追起訴したと明らかにしました。
検察の特別捜査本部は1日、尹前大統領を職権乱用と権利行使妨害の容疑で在宅起訴したと発表しました。
去年12月に発令した「非常戒厳」に関する捜査を行っている検察は、尹前大統領が大統領の権限を乱用し、憲政秩序を脅かしたと判断しています。
職権乱用は、公職者が権限を不当に行使し、他人の正当な権利の行使を妨げた場合に適用される罪です。
憲法上、大統領は在職中に刑事訴追を受けないという「不訴追特権」が適用されるため起訴できませんでしたが、尹前大統領が罷免されたことで起訴が可能となりました。
これに先立ち、検察はことし1月、弾劾訴追された尹前大統領を「内乱罪」の容疑で起訴しています。内乱罪は、大統領の免責特権が適用されません。
一方、検察は、旧統一教会の幹部が、尹前大統領夫妻と親しい占い師を通して金建希(キム・ゴニ)夫人に高級ネックレスなどを渡そうとしたという状況を把握し、先月30日、尹前大統領の自宅マンションを家宅捜索しました。
前大統領の自宅の家宅捜索が行われたのは、2013年の全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領以来です。