革新系の最大野党「共に民主党」の大統領候補である李在明(イ・ジェミョン)前代表が公職選挙法違反に問われた裁判で、最高裁判所にあたる大法院が1日、李前代表を無罪とした二審判決を破棄し、審理をソウル高等裁判所に差し戻したことをめぐり、政界ではさまざまな反応が示されています。
当事者である李前代表は1日午後、「まったく予想外の判決だ」と述べたうえで、「国民だけを信じて正面突破する」として、今後も「共に民主党」の公認候補として大統領選挙を戦う意向を示しました。
「共に民主党」も1日、「大法院が大統領選挙に介入し、国民の選択を奪おうとする『政治裁判』だ」と反発しました。
第3党の革新系野党「祖国革新党」や「進歩党」も、「司法府による政治介入だ」と批判しました。
一方、保守系与党の「国民の力」は、「事実上の有罪が認められたもので、法治主義が回復された」と評価しました。
また、李前代表の大統領選挙候補の資格をはく奪するべきだと批判の度合いを強める一方、ソウル高裁に対しては、大統領選挙前に早急に判決を下すことを求めました。
大法院の差し戻しを受け、ソウル高裁では、有罪を前提にした追加の量刑審理などが行われる見通しです。
ただ、今後のさまざまなプロセスなどを踏まえると、最終判決が来月3日の大統領選挙前までに出る可能性は低いという見方が多く、司法判断が選挙結果にどこまで影響を与えるかが焦点となっています。
一方で、事件の重大性を考慮し、判決が迅速に言い渡される可能性もゼロではないという声も一部で出ています。
李前代表は、次期大統領選挙の世論調査で40%前後の支持率を得ている最有力候補ですが、かねてから不安要素とされていた「司法リスク」が改めて浮き彫りになった形です。