長崎県対馬市の観音寺から盗まれて韓国に持ち込まれた高麗時代の仏像は、所有権 を主張していた忠清南道(チュンチョンナムド)の瑞山(ソサン)市にある浮石寺(プソクサ)で釈迦生誕日の5日に行われた法要を最後に、今月10日に日本へ返還されます。
この仏像は、647年ぶりに浮石寺に移され、ことし1月25日から今月5日までの100日間、一般公開されていました。
これまでに全国からおよそ4万人が拝観に訪れ、仏像の韓国への返還に向けた政府の努力を求める署名運動には、1万5000人が参加しました。
日本に返還する今月10日には、午前10時から1時間にわたり、仏像との別れの儀式が行われたあと、日本側の関係者に引き渡される予定です。
この仏像は、14世紀の高麗時代末期に、日本の海賊集団「倭寇」によって略奪され、日本の寺で長らく保管されてきましたが、2012年10月、韓国人の窃盗団によって韓国国内に持ち込まれました。
最高裁判所に当たる韓国の大法院は、おととし、仏像の所有権が日本側にあるとする判断を示し、日本への返還が決まっています。