2017年に南東部の慶尚北道(キョンサンブクド)浦項(ポハン)市で発生した地震による住民の精神的被害について、1人当たり最大で300万ウォンの支払いを命じた1審判決が覆され、「国に賠償責任はない」とする控訴審判決が言い渡されました。
大邱(テグ)高等裁判所は13日、浦項地震で被害を受けた住民を代表する111人が政府を相手取って起こした損害賠償請求訴訟の控訴審で、1審判決を覆し、原告の請求を棄却しました。
裁判所は、「この地震は、自然地震ではなく、国策事業として進められた地熱発電事業によって人工的に発生した、いわゆる『誘発地震』だったものの、関係機関の過失や因果関係を認めることはできない」と判断の理由を示しました。
浦項には、2017年11月15日のマグニチュード5.4の地震と、2018年2月11日のマグニチュード4.6の余震がありましたが、 一審では、この2回の地震が起きた際に浦項に滞在していた人には300万ウォン、いずれか1回だけ滞在していた人には200万ウォンを支払うよう命じる判決を言い渡していました。
この訴訟には、当初およそ4万7000人が参加していましたが、一審で勝訴したあと、さらに多くの住民が参加し、最終的には原告団がおよそ49万9800人にまで拡大しました。
このため、政府側は、賠償額が過大である上、争点も多いとして控訴し、住民代表側も、当初の請求額の1000万ウォンの支払いを求めて控訴していました。
原告側は、控訴審判決を不服として上告する方針です。