北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が今月9日、ロシアの戦勝記念日に合わせて、娘のキム・ジュエ氏と平壌にあるロシア大使館を訪問しました。
金委員長が外交日程に娘を同行させたのは今回が初めてで、ジュエ氏が後継者となる可能性が改めて注目されています。
公開された映像には、金委員長がジュエ氏の手を取りロシア大使館に入場し、ロシア大使と握手して頬にキスを交わす場面が映っていました。
北韓メディアは、ジュエ氏を「最も愛するお嬢様」と表現しましたが、これは過去より格上げされた呼称です。
韓国統一研究院の趙漢凡(チョ・ハンボム)研究委員は、「『最も』という表現は他の子どもより優先されることを意味し、外交日程への同行は後継構図を知らせる公式なメッセージだ」と分析し、後継者が確実になりつつあるとの見方を示しました。
韓国統一部の当局者も「すべての可能性が開かれている」としつつも、「今回の外交デビューは、ジュエ氏が後継構図において重要な位置を占めていることを示すものだ」と説明しました。
一方、同じく韓国統一研究院の洪珉(ホン・ミン)研究委員は、「娘である点を強調したのは、象徴的存在である可能性が高い」と述べ、北韓社会の特殊性や男性中心の権力構造を挙げ、ジュエ氏が象徴的存在にとどまる可能性も提起しました。