中国のIT大手「テンセント」が、韓国の大手芸能事務所「SMエンターテインメント」の株式およそ10%を取得し、第2位の株主となることがわかりました。
金融監督院が27日、発表したところによりますと、総合エンターテインメント企業で、人気グループBTSの所属事務所の「HYBE(ハイブ)」は、保有していた大手芸能事務所「SMエンターテインメント」の全株式、221万2237株を「テンセント」に売却するということです。
売却額は、1株あたり11万ウォンで、売却総額は2433億ウォンになります。
「HYBE」はおととし、「SMエンターテインメント」の経営権をめぐる争いに加わり、この会社の株式を大量に取得していました。
「HYBE」側は、「事業の選択と集中の一環として、非中核資産の整理を進める」と説明しています。
こうした動きについて、アメリカのブルームバーグ通信は、「中国政府が、韓国の文化コンテンツの流通を制限する『限韓令』をほぼ10年間維持してきたが、近く解除すると予想されるなかで行われた取引だ。『SMエンターテインメント』など、韓国企業が『テンセント』を通じて音楽配信などを再開する可能性がある」と報じています。
中国政府は、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード」の韓国配備に対する報復措置として、2016年からK-POPや韓国ドラマ、映画など韓流文化の流入を制限する「限韓令」を実施してきました。
「テンセント」はこれまでも、大手芸能事務所の「YGエンターテインメント」の株式4.3%、「カカオエンターテインメント」の株式5.95%を保有していて、今回の取引によって韓国の音楽産業への影響力をさらに高めるとみられます。「カカオエンターテインメント」は現在、「SMエンターテインメント」の筆頭株主です。