李在明(イ・ジェミョン)大統領は、G7サミット=主要7か国首脳会議に出発するのを前に、大統領室の国家安保室の幹部人事を発表し、第1次長から第3次長までの体制を固めました。
このうち、国防・安全保障を担当する第1次長には、陸軍の地上作戦司令部で参謀長を務めたキム・ヒョンジョン氏を任命しました。大統領室は「軍事政策に精通し、軍改革を主導できる適任者だ」と説明しています。
また、外交・安全保障を担当する第2次長には、カナダ大使を務めている任雄淳(イム・ウンスン)氏が起用されました。任氏は対アメリカ外交の専門家で、すでに現地でG7サミットに向けた実務調整にあたっています。
さらに、経済・安全保障を担う第3次長には、韓国として初の女性バチカン大使を歴任し、国連などで経済外交の経験を積んできた吳玹周(オ・ヒョンジュ)氏が選ばれました。
今回の人事では、第2次長と第3次長にいずれも外交官出身の人物が起用されたことが注目されています。すでに任命されている魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長とあわせて、安全保障政策でも国益を最優先し、実利的な外交を重視する姿勢が示された形です。大統領室の高官は、「いま最も重要な課題である外交と通商に精通した方々を選んだ」と説明しています。
このほか、AI=人工知能の分野では、大統領室に新たに設けられた「AI未来企画首席」に、韓国のIT大手ネイバーでAI戦略を統括してきたハ・ジョンウ氏が任命されました。大統領室は、「現場をよく知る民間の専門家に責任を託すことで、AI国家戦略をスピード感を持って推進していく」としています。