世界の株式の指標として利用されているMSCI指数の格付けで、韓国株式市場は、ことしも先進国指数の候補に採用されませんでした。
MSCI指数は、アメリカのモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)が算出し、公表する株価指数で、全世界を対象に投資する大型ファンドの主な運用基準として利用され、選ばれると株価に良い影響があると言われています。
モルガン・スタンレーは現地時間の24日、「韓国株式市場のアクセス向上に向けた取り組みを引き続き注視していく」としたうえで、先進国指数への格上げを検討する「観察対象国(ウオッチリスト)」に韓国株を含めず、引き続き新興国指数として据え置く方針を明らかにしました。
韓国でことし3月に、空売り禁止措置が全面的に解除されたことについて、モルガン・スタンレーは、「不正な空売りなどの不公正取引に対する監督を強化するための禁止条項が削除されるなど、市場への規制や技術的な改善が進んだものの、突然の規制変更に対する投資家の懸念も依然としてある」と指摘しました。
また、「韓国株が先進国指数の候補に再び採用されるためには、すべての課題が解決され、市場改革が完全に実施されたうえで、市場参加者がその効果を十分に評価する期間が必要だ」と説明しました。
モルガン・スタンレーは、世界の株式市場を、先進国市場・新興国市場・フロンティア市場の3つに分類していて、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、日本、香港、シンガポールなどの株は先進国指数に分類されています。
現在、韓国株は中国、インド、台湾、トルコなどとともに新興国指数に分類されています。
韓国株は、1992年に新興国指数に編入され、2008年には先進国指数への格上げの観察対象国になったものの格上げされず、2014年以降は、観察対象からも外れています。
先進国指数に編入されるためには、まず観察対象国として少なくとも1年以上指定される必要があります。
今回も観察対象国への指定が見送られたことで、韓国株の先進国指数への編入は、来年6月に再び検討されることになります。