尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴニ)夫人の不正疑惑を捜査する、政府から独立した機関の特別検察官が、金夫人に対し、初の出頭要請を行いました。
特別検察官の捜査チームは21日、金夫人に対し、来月6日午前10時に被疑者として出頭するよう通知したと明らかにしました。
金夫人は2020年4月、輸入車ディーラー「ドイツ・モーターズ」の株価操作疑惑で告発されましたが、当時は2回の書面調査と1回の出張調査を受けただけで、不起訴処分となっていました。
捜査チームは、調査を始めてから株価操作疑惑などについて取り調べる方針を示しています。
金夫人は、そのほかにも複数の疑惑が持たれていることから、出頭要請は1回で終わらない可能性が高いとみられています。
金夫人側は「誠実に対応する」とし、出頭の意向を示しました。
このほか特別検察官は、尹前大統領に対しても、今月29日午前10時に被疑者として調査を受けるよう通知しました。
特別検察官は、尹前大統領夫妻に共通して、政治ブローカーの明泰均(ミョン・テギュン)氏と関連する、与党の公認候補選びへの不正介入疑惑についても取り調べる予定です。
尹前大統領と金夫人は、2022年3月の第20代大統領選挙を前に、明氏から複数回にわたって無償で世論調査の結果の提供を受けた見返りとして、同じ年の6月に行われた国会議員補欠選挙で「国民の力」の元議員、金映宣(キム・ヨンソン)氏が公認されるよう働きかけた疑いが持たれています。