韓国南西部・全羅南道(チョンラナムド)羅州(ナジュ)市のレンガ工場で、外国人労働者が積み上げられたレンガの山に縛りつけられ、フォークリフトで持ち上げられる動画が公開されたことを受け、李在明(イ・ジェミョン)大統領は、「野蛮な人権侵害に対し、厳しく対応する」と述べ、警察と韓国雇用労働部が調査に乗り出しています。
公開された動画には、スリランカ出身の男性労働者が積み上げられたレンガに縛りつけられた状態でフォークリフトで持ち上げられ、現場にいた同僚らが笑いながらその場面を撮影している様子が映っていました。
男性が作業に慣れていないことを理由に、50代の韓国人従業員が男性をフォークリフトでいじめたということです。
この事件は、男性が事件発生から5か月後、労働団体に被害の事実を訴えたことで明らかになり、工場側は、今後、再発防止策を徹底し、関係当局の調査などに全面的に協力するとしています。
今回の事件を受け、移住労働者人権ネットワークは24日に記者会見を行い、「罰ゲームやいたずらとして容認できない人権侵害だ」として強く批判しました。
また、李大統領もこの日、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室で開かれた会議で、「生計のために遠い外国で生活する韓国の国民と同様に、外国人労働者の基本的人権が守られるべきだ」としたうえで、「野蛮な人権侵害に対し、厳しく対応する」と述べました。
現在、警察は、この工場を対象に違法行為があったのかを調べていて、雇用労働部は工場に対する特別監督を行っています。