北韓が、韓米合同軍事演習への対抗措置とみられる砲撃訓練を行いました。
北韓の朝鮮中央通信によりますと、北韓は11日、朝鮮人民軍の大連合部隊に所属する砲兵部隊による射撃訓練競技を実施しました。18日から始まる定例の韓米合同演習を念頭に置いた動きとみられます。
朝鮮中央通信は、「現代戦の様相と発展の推移に合わせて砲兵の武器体系の効率性や運用性を高度化してきた戦術単位の砲兵部隊が、高い戦闘力と常時の動員態勢を余すことなく証明した」と評価しました。
北韓は前日、国防相の談話を発表し、来週に予定されている韓米合同演習を強く非難したうえで、「主権的権利を断固たる態勢で行使する」と威嚇しました。
韓国が、北韓向けの宣伝放送のために設置していた拡声器を撤去したことを受け、北韓も拡声器を撤去するなど、融和的な措置には応じる一方で、軍事演習には強硬姿勢を崩していません。
北韓はほぼ毎年、韓米合同演習を前に反発の談話を出してきましたが、ことしは例年よりも過激な表現は減ったものの、国防相を前面に立たせて発言の重みを増しました。
韓国統一部は、過去に比べ格上の人物が立場を表明した一方、表現は抑えめで、軍事的威嚇よりも立場の表明に重点を置いたと分析しています。
今回の韓米合同演習は、屋外機動訓練のおよそ半分が9月に延期されていて、北韓は韓国政府の動きを注視しつつ、対応のレベルを調整しているものとみられます。