尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴニ)氏は12日、裁判所で拘束令状の審査を受けています。
金氏の拘束令状に記載された容疑は3つで、16ある捜査項目のうち、特別検察チームが物証や証言をある程度確保できたと判断したものです。
1つ目は、自動車輸入販売会社「ドイツ・モーターズ」の株価操作にかかわったとされる疑惑です。
2つ目は、公認候補選びへの介入疑惑です。第20代大統領選挙の際、尹前大統領夫妻が政治ブローカーの明泰均(ミョン・テギュン)氏から世論調査結果を無償で受け取り、その見返りとして「国民の力」の元議員、金映宣(キム・ヨンソン)氏が公認されるよう働きかけた疑いです。
そして3つ目は、側近を通じて旧統一教会=世界平和統一家庭連合の関係者から依頼を受け、高級ブランドのバッグやダイヤモンドを受け取り、その見返りとして、カンボジア事業などで便宜を図った疑いなどで、収賄罪の容疑が持たれています。
特別検察チームは今月6日、金氏に対し出頭要請を行い、取り調べを行いましたが、金氏が大半の容疑を否認したため、側近らと口裏を合わせるなど証拠隠滅の可能性が高いとみて、翌日に拘束令状を請求しました。
金氏が逮捕されるかどうかは、残る疑惑の捜査にも影響を及ぼす可能性があることから、特別検察チームと金氏側は、審査法廷で逮捕の必要性をめぐって激しい攻防を繰り広げる見通しです。
金氏の逮捕の可否は、早ければ12日夜にも決まる見込みです。拘束令状が発付されれば、前大統領夫妻がそろって拘束される史上初の事例となります。