韓国の作家、韓江(ハン・ガン)さんの小説「別れを告げない」が、フランスのパリにある国立ギメ東洋美術館が主催する「アジア文学賞」を受賞しました。
「アジア文学賞」の審査委員会は現地時間の先月29日、韓国の作家、韓江さんの長編小説「別れは告げない」をことしの「アジア文学賞」に選んだと発表しました。
この賞は、ギメ東洋美術館が2017年に創設した文学賞で、直近1年間でフランス語に翻訳、出版された現代アジア文学作品を対象に毎年受賞作を選定しています。
「別れを告げない」は2021年に書かれた長編小説で、アメリカが軍政を敷いていた1948年に、韓国軍などが済州島の住民数万人を殺害したとされる、いわゆる「済州4・3事件」を、3人の女性の視点から描いた作品で、去年8月には、韓国の作品としては初めて、フランスの4大小説賞のひとつとされるメディシス賞の外国小説賞に選ばれました。
韓江さんは、2016年に、小説「菜食主義者」でイギリスの国際ブッカー賞を受賞しています。