政府が進める医学部の定員拡大に反発し、研修医らが集団で退職届を提出し医療現場を離れていることをめぐって、政府が問題解決のための合理的な対策を講じない場合、研修医らに続き、ソウル大学医学部の教授の3割にあたる430人が退職届を出す方針を明らかにしました。ただ、政府との対話の余地は残すとしています。
ソウル大学医学部の教授協議会非常対策委員会は11日、教授総会を開き今後の対応について議論を交わしました。その結果、政府が合理的な解決策を講じない場合、総会に参加した430人の教授全員が18日に退職届を提出することを決議しました。
退職届を出す日を18日としたのは、19日が研修医らが退職届を出してから1か月となる日だからとみられます。通常、退職届を提出してから1か月が経過すると、退職届を受理しなかったとしても民法上、自動的に退職処理が行われることになっています。
非常対策委員会のパン・ジェスン院長によりますと、ソウル大学病院を含むソウルの5大病院の非常対策委員長らは今月6日、会議を行い、今後の対応において歩調を会わせることで合意したということです。
また、14日には、全国医科大学教授協議会が研修医らの集団行動をめぐり会議を開く予定です。このため、今後、医学部教授らによる集団行動がさらに拡大するのではないかとして、懸念が高まっています。
一方、ソウル大学医学部の教授協議会非常対策委員会は、医学部の全教授1475人のうち、1146人が参加したアンケート調査の結果を発表しました。
それによりますと、教授の87%が「最悪の事態を防ぐため、ある時点を基準に、教授らが積極的な行動をとるべきだ」と答えました。
また、政府は、2035年に医師1万人が不足するという予測した報告書をもとに、医学部の定員を2000人増加することを決めましたが、これについて99%の教授が「科学的な根拠がない」と答えました。
ただ、これと同時に95%の教授が「科学的、合理的、客観的根拠をもとに、医学部の増員の規模を決めるのであれば、増員について議論できる」と答えたということです。