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政治

総選挙 「抜け穴」と批判の現行制度で実施の見通し

Write: 2024-02-06 12:08:09Update: 2024-02-28 17:02:33

総選挙 「抜け穴」と批判の現行制度で実施の見通し

Photo : YONHAP News

4月の総選挙に向けて、前回、4年前に導入された選挙制度には抜け穴があるとして、これを見直すかどうか、与野党で議論が続けられていましたが、過半数の議席を握る最大野党「共に民主党」が見直しを断念する方針を決めたことから、今回の選挙も現行の制度のままで行われる見通しとなりました。 
 
韓国の国会議員選挙は、日本と同様、小選挙区と比例代表の両方で行われます。

ただ、議席数の内訳は、小選挙区が253議席、比例代表が47議席と、政党単位で選ぶ比例代表の議席が全体のおよそ16%程度にとどまり、大きな政党に有利な制度だという指摘がありました。

このため、少数政党が有権者からの支持により近い水準の議席数を獲得できるよう、2020年に行われた前回の総選挙で、比例代表の議席を傾斜配分する制度が導入されました。

この制度は、小選挙区で獲得した議席数が全体の253席に占める割合が、比例代表での政党別の得票率よりも低い場合、比例代表の議席を傾斜配分することで、政党の支持率を国会の議席数により正確に反映するというものです。
 
しかし、与党と最大野党が、それぞれの傘下に下部政党を立ち上げ、その政党が比例代表制度で導入された傾斜配分システムによって従来よりも多くの議席を獲得したあと、選挙後に母体となる与党と野党に合併したため、選挙制度が改革される前よりも更に2大政党体制が強まる結果に終わり、制度の抜け穴を塞ぐための見直しが必要だという指摘が上がっていました。
 
これについて、最大野党「共に民主党」は、比例代表の傾斜配分システムは残しつつ、既存の政党が下部政党を結成することを禁止すべきだと主張し、与党「国民の力」は、傾斜配分システムそのものを廃止すべきだとして対立していました。

与野党の溝が埋まらないなか、「共に民主党」は5日、選挙制度の見直しを断念する方針を発表するとともに、下部政党を設立する方針を示しました。

「国民の力」は、先月31日に下部政党を設立しています。

与野党ともに、選挙制度の見直しに対するそれぞれの主張とは異なる選挙対策を打ち出したことで、今回の選挙でも比例代表の傾斜配分システムが、本来の目的とは違った形で利用される可能性が高まっています。

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