尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は7日夜、KBSで放送された新年のインタビューで、夫人の金建希(キム·ゴニ)氏が高級ブランドのカバンを不当に受け取ったとされる問題について初めて立場を明らかにし、この問題は政権を陥れるための政治工作だという政府の主張をあらためて強調しました。
ことしで就任3年目を迎える尹大統領は、7日の夜にKBSで放送されたおよそ100分の特別インタビューで、これまでの成果や今年の主要な政策課題について語りました。
インタビューの内容は多岐にわたりましたが、韓国国内で最も注目を集めたのは、金建希夫人がブランドバッグを不当に受け取ったとされる疑惑に対して、尹大統領がどのように釈明するかという点でした。
尹大統領は、この問題は隠しカメラを活用した政治工作だという点を強調しました。
大統領夫人をめぐる収賄疑惑は、おととしの9月に夫人が、自身の事務所で、アメリカ在住の韓国人の牧師から高級ブランドのカバンを受け取ったとされるもので、受け渡しの場面を隠し撮りした映像が去年の末に公開されたことで浮上しました。
大統領は、「総選挙を控えた時点で1年も前のことを暴露すること自体が政治工作だ」として、隠し撮りした側を批判する一方で、今後は、公私混同と取られるようなことがないよう、明確に線を引いて行動することが重要だと述べました。
尹大統領は、「自分ならもう少し断固として断ることができたはずだが、妻の立場では断りにくかったのではないかと思う」と釈明しました。
夫人にカバンを渡した牧師は、夫人の父親と同郷で、親しい間柄であることを強調して近づいてきたため、面会や贈答品の受け取りを断ることが難しかったということです。
インタビューで尹大統領が謝罪を行わなかったことについて、最大野党「共に民主党」は、「大統領は真実の謝罪を求めていた国民の期待を裏切った」と批判しました。