尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が拒否権を行使した、尹大統領の妻、金建希(キム・ゴニ)氏をめぐる問題の捜査法案が、先月29日、国会で再び採決にかけられましたが、否決され、廃案となりました。
この法案は、尹大統領の夫人、金建希氏が株価操作に関与したとの疑惑に関して、政府から独立した「特別検察官」による捜査を実施するためのもので、過半数の議席を占める最大野党「共に民主党」などが主導して、去年12月末の国会本会議で可決していました。
韓国では、国会で可決した法案に対し、大統領が15日以内に署名または公布するか、国会に再議決を要求しなければなりません。
尹大統領は、「法案の狙いは、4月の国会議員総選挙に向けて世論を動かすことで、多くの問題がある」として、ことし1月に拒否権を行使し、法案は国会で再議決にかけられました。
国会は先月29日、出席議員281人による無記名投票を行い、賛成171人、反対109人、無効1人で法案は否決されました。
大統領が拒否権を行使した法案が再び可決されるためには、在籍議員の過半数が出席し、出席議員の3分の2以上が賛成する必要がありますが、与党「国民の力」の議員は115人と、在籍議員の3分の1を超えるため、可決される可能性は低いとみられていました。