朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして起訴された産経新聞の前ソウル支局長に対する事実上の初公判にあたる公判準備手続きが27日、ソウルで開かれ、前支局長側は起訴内容を全面的に否認しました。
産経新聞の加藤前ソウル支局長は、朴大統領が旅客船セウォル号が沈没した当日、元補佐官のチョン・ユンフェ氏(59)と会っていたとし、親密な男女関係があるかのように報道し、名誉毀損罪に問われています。
検察は、起訴状で「朴大統領を中傷しようと心に決め、加藤氏が記事を書いた」などと述べ、これに対し、加藤氏の弁護士は、記事に中傷する意図はなかったとして、起訴内容を否認しました。
公判では、検察側の要請を受け、チョン・ユンフェ氏が証人として認められましたが、朴大統領の事故当日の動静を知っている随行秘書か秘書室長を証人として出廷させるよう要請した加藤氏側の要請については、裁判官は、名前を特定すれば認めるかどうかを決めると答えました。
加藤前支局長は10月1日付けで東京本社勤務の辞令が出ましたが、韓国当局が8月から出国を禁じているため帰国できずにいます。
弁護人側は、出国禁止措置の解除を検察に求めるよう要請しましたが、検察側は刑事裁判中は出国禁止処置を取るよう定められていると指摘し、今後も相当の期間、帰国できない可能性が高いものとみられています。
次の公判は来月15日に開かれる予定です。