ロシア極東のベーリング海で、1日午後2時20分頃、韓国の漁船が沈没し、1人が死亡、52人が行方不明になっています。
沈没したのは、韓国・釜山の水産食品メーカー「思潮(サジョ)産業」のトロール漁船「501オリョン号」(1753トン)で、漁船には、韓国人11人、インドネシア人35人、フィリピン人13人、ロシア国境警備隊所属の監督官1人が乗っていました。
このうち韓国人1人とロシア監督官を含む8人が救助されたものの、韓国人1人は低体温症で死亡し、行方不明者は52人となっています。
漁船は、トロール網を引き揚げていた際に波を受け、船内に大量の海水が入り込み、沈没したということです。
思潮産業によりますと、船が傾き始めてから乗組員8人が救命いかだに乗って脱出し、残りの人は救命胴衣を着て海に飛び込んだということです。
外交部は、事故発生直後に対策チームを立ち上げ、現地の韓国公館を通じて、ロシアの国境警備隊など関係機関に捜索作業を急ぐよう求めています。
現在、事故海域では、捜索作業が行なわれていますが、波が高く、救助作業は難航していて、死者が増える心配も出ています。
漁船を所有する思潮産業は、急な気象悪化による事故としていますが、死亡した乗組員の遺族や行方不明者の家族らは、会社が無理に操業を強行したことや、老朽化による故障の可能性を指摘しています。
「501オリョン号」は、1978年11月にスペインで建造された老朽船舶で、2010年に思潮産業が買収し、ロシアとの合弁による運航を経て、今年2月に韓国籍となっています。