韓国政府が2年ごとに発行している国防白書で、北韓を「敵」とする表現が6年ぶりに復活しました。
国防部は、おととしと去年の国防政策の成果や今後の方向性などをまとめた2022年の国防白書を16日に発行しました。
今回の白書では、「国防の目標」の項目に「北韓政権と北韓軍はわれわれの敵」という表現が復活しています 。
北韓について「敵」という表現を使ったのは、2016年以来、6年ぶりです。
北韓が、おととし改正した朝鮮労働党の規約で、韓半島の共産主義化を目標として掲げたことや、去年12月の労働党中央委員会の総会で韓国を「明白な敵」と定めたことなどが背景にあると、国防部は説明しています。
今回の白書では、北韓の核能力について、使用済み核燃料の再処理でできたプルトニウム70キロあまりと、ウラン濃縮計画で生産した高濃縮ウラン相当量を、それぞれ保有していると算定しました。
2020年の白書では、プルトニウムの保有量は50キロと推定されていて、この2年間で20キロ増えた形です。
一方、2020年の白書で単に「隣国」としていた日本については、「近い隣国」と記述し、GSOMIA=韓日軍事情報包括保護協定については、必要な情報交流が正常に行われていると評価しています。