パク・チャヌク監督作
2024-06-05
貧富の格差の問題は韓国でも大きな注目を浴びています。そして格差は世代間でも存在するようです。どういうことでしょうか。
世代間の経済格差を示す統計資料が発表されたのでご紹介しましょう。ソウル研究院は2012年から2020年までの統計庁家計金融福祉データを利用して「世代間の資産格差」に関するリポートを発表しました。
この報告書は年齢を基準に所帯主を5つの世代に分けて世代間の資産格差を分析しました。
現在65歳以上の産業化世代、55歳から64歳までの第1次ベビーブーム世代、45歳から54歳までの第2次ベビーブーム世代、35歳から44歳までのX世代、25歳から34歳までのY世代です。そして、最近はその下の15歳から24歳までの世代をZ世代と呼んでいます。
さてこの世代の中でこの9年間に最も急速に資産が増加した世代がX世代、現在の35歳から44歳までの世代です。この世代の資産は2012年から2020年の間に2倍以上増えました。
一方でこの世代は負債、借金が最も増えた世代でもあり、この9年で負債は3倍近く増えました。2012年に平均1億9千万ウォンだった資産は4億ウォンに増え、一方負債は3500万ウォンが1億500万ウォンに増えています。
一方、Y世代25歳から34歳までの世代は2020年を基準としてその資産は全国平均で2億ウォン台、X世代の半分にしかなりません。そして負債の額はY世代も増えているので、資産から負債を引いた純資産額でもやはりY世代が低くなっています。
格差はどこに住んでいるかによっても生じます。2012年から2020年の資料をもとに資産の最低点と最高点を比較してみました。すると、首都圏居住者と非首都圏居住者の間には大きな差があることが分かりました。首都圏居住者の資産はこの間に15倍にも膨れ上がりましたが、非首都圏では10倍の上昇に終わりました。
ではそれぞれの世代が同じ年齢になった時に、どの世代が一番豊かだったのか。資産から負債を引いた純資産の平均を比較してみました。1970年代生まれ現在の40代は、45-49歳で一番豊かになっており、その金額はその上の世代が45-49歳だった時よりも純資産で4千万ウォンほど多くなっていました。それだけ現在の40代は豊かな世代、お金を貯めやすかった世代だということです。
一方、今の30代は最も貧しい世代です。1990年代、現在の30代が20-24歳の時の平均純資産は2700万ウォン、これは現在の40代が20-24歳の時の4000万ウォンに比べて1000万ウォン以上の差が出てしまいました。
また現在の30代が就職をした後、25-29歳の時の平均純資産は6300万ウォン、その上の40代の25-29歳の時の8900万ウォンに比べると2000万ウォン以上の差が出てしまいました。
時代ごとに、世代ごとに経済環境が違うので、一概には比べられないもののこのリポートを見る限り、一番経済環境が整い恵まれた中で資産を増やせてきたのが今の40代で、反対に一番厳しい環境にいるのが今の30代だということのようです。
やはり不動産価格の高騰や株式市場などの影響がでているのでしょうか。生まれた年代によってもこんなに格差が生じてしまうというのは、なんだか悲しい気がします。
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