ⓒ Getty Images Bank 年齢を数えるときに満年齢を使う法律が、6月28日に施行されました。
それまでは数え年が主に使われていました。数え年とは、生まれた日に1歳となり、新年を迎えると、もう1歳年を重ねるという数え方です。さらに、生まれた日を0歳とした上で新年の1月1日になるごとに1歳ずつ増える、数え年と満年齢を組み合わせた計算方式(年年齢)や満年齢も使われてきました。
数え年は、生まれた日を1歳とすることで、母親のお腹の中にいる期間も年齢として数えるという意味を持っています。韓国ではどうして数え年を使うのが不思議だったのですが、親戚からそう教えてもらい、良い数え方だなあと思い、私自身、人に歳を言うときは数え年で言うようになりました。
韓国では、すべての人付き合いで、年齢を基準にして、序列が決まります。「韓国人は初対面の人に年齢を尋ねる」と日本の方からよく言われます。日本では違和感がある行為ですが、それは、相手が目上の人である場合に失礼のないように線引きをするためです。1歳違うだけでも、尊敬語や丁寧語をきちんと使わなければならない対象となるからです。
満年齢の導入が、韓国式の序列文化を緩和させることに貢献するだろうという見方もあります。行政各部の立法活動を総括している法制処が、満年齢を導入するのに先立ち、去年9月にホームページ上で行った世論調査(6394人回答)では、回答者の86.2%が満年齢を使用すると答えており、満年齢の導入に賛成する理由の一つとして、「それまでの韓国式の年齢の数え方による序列文化が打ち破られることを期待する」という回答が挙がっていました。
それでも、今後も、数え年が使い続けられる分野も少なくないでしょう。たとえば、結婚相談所では、これからも当分は数え年を使うということです。結婚相談所の関係者は、「ほとんどの会員が数え年に馴れ親しんでいるため、プロフィールの年齢が変わってしまったら、混乱するだろう」とその理由を話しています。また、大手新聞社の朝鮮日報は、新聞で使う年齢は、これまでどおり年年齢で表記するという方針を示しています。満年齢を表記するにはその人の誕生日まで知らなければならず、それを把握するのは現実として難しく、誕生日を明らかにするのを嫌がられるなどで、ともすればプライバシーの侵害になりかねないからだといいます。
ただ、国民の多くは満年齢の使用を歓迎しているようです。1才か2才は若返るからです。特に、20代が30代になったり、30代が40代になる、そうした節目の年齢に敏感な人が多いので、若返ったことを喜ぶ書き込みがSNSで多くみられました。