メニューへ 本文へ
Go Top

文化

家族の一員となって暮らしているペット「伴侶動物」

2013-02-19



ソウルにある愛犬カフェ。愛犬カフェというだけあって入口を入ったとたん、いろんな種類の犬がのびのびと遊んでいる姿が目に飛び込みます。全体的な景気はあまりよくありませんが、愛犬カフェはこんな時期にも賑わっています。愛犬カフェだけではなく、ペット関連のビジネスは不況知らずです。韓国ではペットを人生の伴侶、家族の一員として扱う人が多く、ペットではなく、コンパニオン・アニマルの訳語としての伴侶動物と呼ぶ人が増えています。

現在、韓国で伴侶動物を飼っている人はざっと1千万人。伴侶動物関連市場もますます大きくなっていて、その規模は4兆ウォン台に達しています。デパートや大手のショッピングセンターには伴侶動物をあずけてショッピングが楽しめる空間が設けられ、病院、美容室、ホテル、葬儀社、専用のプール、訓練所など伴侶動物のための施設も急増しています。

古くから韓国では庭の片隅に犬小屋を作って、家を守る番犬として犬を飼ってきました。中には、天然記念物に指定されている品種もあり、珍島(チンド)生まれの犬、珍島犬は1938年に、邪気を追い払うと信じられた犬、サプサル犬は1992年にそれぞれ天然記念物に指定されています。時代は変わり、庭にいた犬が居間や部屋で暮らすようになり、その存在も単に家を守る番犬ではなく、家族の一員として受け入れられるようになりました。独り暮らしや夫婦だけで暮らす人たちが多くなり、さびしさを紛らわすために、また、子どもがいる家庭では子どもたちのためにペットを飼うようになり、ペットは動物ではなく、家族となったのです。



1983年10月、オーストリアで「人間と愛玩動物の関係」をテーマにした国際シンポジウムが開かれました。この時、人といっしょに生きていく動物という意味のコンパニオン・アニマル、 つまり伴侶動物という表現が登場し、今に至っています。

伴侶動物のための幼稚園も人気が高まっています。幼稚園では、仕事や共働きなどのために、一日中、一人で家にいることになる伴侶動物の社会性を養い、排便など基本的な訓練が進められています。費用は月40万ウォンですが、利用者は増えています。



人と人との関係では、自分の感情や悩みを打ち明ける時も相手の都合を考え、周りの視線にも気を使わなければなりません。一方、伴侶動物にはどんな話をしても、それについて判断したり、批判したりしないので、いやされるのです。こうした心理的なヒーリングは大人だけではなく、子どもの情緒を安定させ、相手を思いやる心を養う役割も果たしています。

犬や猫だけではなく、爬虫類や魚類にいたるまで、伴侶動物の範囲はだんだん広がっていて、伴侶動物関連市場は今も成長しています。高齢化によって引退後の生活が長くなり、独り暮らしの人も多くなったため、感情を分かち合える家族の必要性はますます高まっているからです。そんな中、伴侶動物は温もりを分かち合う存在として、また、家族の一員として、韓国社会に溶け込んでいるのです。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >