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文化

韓国の卒業式のトレンド

2013-02-26



韓国の2月は卒業シーズンです。2月の半ばから下旬にかけて小学校から大学まで、全国の学校で卒業式が行われます。

制服を着て一列に並び、卒業式の歌を歌いながら厳かな雰囲気で進められた昔の卒業式。しかし、時代は変わり、卒業式にも変化が生まれ始めました。最近、韓国では先生と生徒が卒業を祝う、フェスティバルのような卒業式、楽しいイベント風の卒業式がトレンドとなっています。



ソウルの近郊、京畿道(キョンギド)の中学校ではこんな卒業式が行われます。第1部は平凡な卒業式で、特に変わった様子はありません。ところが、式典が終わり、第2部に移ると雰囲気は一転します。舞台に登場した校長先生と数人の先生たちが卒業を祝う替え歌を歌うのです。歌を歌う先生たちからは式典で見た、先生特有の重々しさは感じられません。卒業生はもちろん、先生も保護者もいっしょに楽しめる卒業文化を作ろうということで、みんなでアイデアを出し合って作ったイベントです。その結果、一部の生徒だけではなく、みんなが一つになれる、意味のある卒業式を作ることができました。静かな卒業式とは違って、公演を準備する先生たちも楽しそうです。先生たちの熱演に負けじと、今度は卒業生たちが舞台にのぼります。2時間あまりにわたって進められた卒業式は誰一人、退屈することなく、みんなが一つになった特別なイベントでした。講堂での卒業式が終わると、卒業生は教室に戻り、中学校での最後の時間を担任の先生と送る、ミニ卒業式を行います。



特別な卒業式を行うのはこの学校だけではありません。もう一つ、ソウルにある中学校の卒業式をご紹介しましょう。この学校は区民会館を借りて、卒業生の作品を展示し、特別なフォトゾーンを作りました。中学3年生は最後のテストが終わってから卒業式まで少し間があり、その時間を活かして、自分の顔写真で点描画、つまり線を使わずに点で描いた作品を作りました。クラス全員の写真を使った大きな点描画作品を背景に特別な卒業記念写真を撮ってもらうために、フォトゾーンが設けられたのです。ギャラリーに変身した会場で行われた卒業式は生徒たちにとっても印象的だったようです。



「未来の夢」というテーマで開かれた卒業式もありました。この学校の卒業式は3年間の学校生活を振り返る映像からスタートします。3年間の思い出といっしょに先生や卒業生のメッセージが流れます。卒業式を子どもたちの未来を祝福する場にしようという先生たちのアイデアから生まれたイベントです。卒業は終わりではなく、新しい未来への出発点だからです。学校を窮屈な空間ではなく、楽しく幸せな場所として記憶してほしいいう先生たちの願いが込められた卒業式なのです。

韓国でトレンドとなっている特別な卒業式は学校生活や先生、友だちとの思い出をより幸せなものにします。新しい未来に向けて旅立つ卒業生にとってこうした特別な卒業式はいろんな壁にぶつかってくじけそうになったとき、自分を支えてくれる特別な思い出となるに違いありません。

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