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文化

韓国の文化芸術の世界に溶け込んだ「多文化」

2013-01-22



ソウルの大学路(テハンノ)で上演されているミュージカル「ワンドゥギ」。この作品は障害を持つ父親とベトナム人の母親、つまり、多文化家庭に生まれた少年「ワンドゥギ」の成長期を描いています。もう一つ、今月始めに公開された映画「マイ・リトル・ヒーロー」。この映画では三流の映画監督、ユ・イルハンが歌とダンスが上手な多文化家庭の子ども、ヨングァンといっしょにミュージカルのオーディションに挑戦する過程を描いています。

このように、最近、映画をはじめ、韓国の文化芸術公演では「多文化」を映し出したさまざまな作品に出会うことができます。



2009年に放映された映画「バンドゥビ」。「バンドゥビ」はバングラデシュの言葉で「良き友だち」という意味です。韓国に出稼ぎに来た移住労働者、カリムと、韓国の女子高生、ミンソとの出会いを通じて韓国の移住労働者の現実と多文化に対する認識を淡々と描き出した作品でした。「バンドゥビ」が公開される前まで、韓国の映画に登場する東南アジア出身の人たちはほとんどが教育や経済の面で韓国人より劣っているように描かれていました。一方、「バンドゥビ」は生まれ育った国は違っても、人はみな平等で、対等な関係であることに重点をおいた作品でした。

映画「バンドゥビ」がきっかけになったのでしょうか。その後の韓国映画に登場する移住労働者や多文化家庭の雰囲気は明るく、生き生きと描かれるようになりました。

このように移住労働者や多文化家庭の話が目立つようになったのは、韓国社会に外国人と多文化家庭がそれだけ増えていることを意味しています。もはや彼らは異邦人ではなく、私たちといっしょに生きている、れっきとした韓国社会の一員なのです。



統計庁の資料によると、韓国の多文化人口は126万5千人以上。去年現在、韓国の人口は5千万人なので、全体の2.5%、つまり、韓国人100人のうち、2、3人は多文化家庭に属しているといえます。また、新生児のおよそ5%が多文化家庭の子どもたちで、2050年には多文化人口が韓国人口の10%前後に達するものと見られています。

国際結婚によって増えつつある韓国の多文化家庭。国際結婚をした親の世代もいろんな壁を乗り越えなければなりませんが、多文化家庭に生まれた子どもたちはもっと多くの悩みを抱えているといいます。ミュージカル「ワンドゥギ」はそんな多文化家庭の子どもの悩みに焦点を当てています。一人ぼっちのワンドゥギは絶えず話しかけてくる担任の先生をうっとうしく思っていたですが、いつの間にか、先生、つまり小さな関心を通じて社会に溶け込み、キックボクサーになる夢を育てていくのです。



映画やミュージカルなどの作品を通じて投げ掛けられたメッセージは感動とともに観客に伝わります。特に、感性豊かな子どもたちにはどんな教育プログラムよりもまっすぐに、そして効果的に伝わっていくようです。

今、「多文化」は韓国の文化の一部として認められ、さまざまなジャンルで取り上げられ始めています。特に、文化芸術公演は韓国の中の「多文化」を抵抗感なく受け入れるための大事なツールとなっています。「多文化」が文化芸術ジャンルのトレンドとなることで、「多文化」に関する話を繰り返すことができ、「多文化」に対する正しい認識、多文化家庭との触れ合いを広げていくことができるのです。これからの韓国社会がバランス良く調和し、成長していくためには韓国内の多文化を認め、共存していかなければなりません。私たちはさまざまな国から移住してきた人たちや多文化家庭といっしょに生きていくという認識を持つべきなのです。

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