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文化

最近人気を集めている1990年代の文化の復古ブーム

2013-01-15



ソウルで上演されているミュージカル「私の愛、私のそばに」。この作品は1990年代のヒット曲を中心に、20代、30代、そして40代の恋物語をつづったジュークボックスミュージカルです。懐かしいヒット曲と心ときめく恋物語でつづられる創作ミュージカル「私の愛、私のそばに」は、今、韓国の3、40代を中心に人気を集めています。舞台では、すそに向かってらっぱ形に広がるブーツカットのパンツやシルク製のシャツ、カセットテープで聞くアナログの音楽など、懐かしいアイテムが登場して、90年代の感性とともに郷愁を誘います。

1990年代の韓国社会は経済的にもっとも豊かで、文化的にもビッグバンと呼ばれるほど大きな発展を遂げた時期でした。1997年に通貨危機を経験するまで、経済はいたって好調で、この時期に中産階級も多くなりました。現在の3、40代は文化的な豊かさを懐かしく思い返しているともいえます。

1990年代の韓国ではありとあらゆるジャンルの文化が登場しました。歌謡曲では甘いメロディのバラード曲とアイドルを中心とした軽快なダンスミュージックが人気を集めました。映画界も大きく成長し、トレンディ・ドラマもブームになりました。韓流が始まったのも90年代でした。

1990年代の文化の復古ブームの火付け役になったのは、去年3月に公開された映画「建築学概論」でした。1996年に大学に入学した建築学部の若者の初恋を描いた映画「建築学概論」のテーマソングは1990年代のバラード曲でした。90年代を背景にしたストーリーとヒット曲が当時を懐かしむ韓国人の郷愁を刺激し、初恋ブーム、復古ブームを巻き起こしたのです。



映画から始まった復古ブームは1990年代を背景にしたドラマで本格化しました。ケーブルチャンネルで放送されたドラマ「応答せよ、1997」は今のような洗練された雰囲気ではありませんが、そのために却って純粋に感じられる90年代の若者たちを描いています。ケーブルチャンネルとしてはかなり高い視聴率を記録したドラマの人気で復古というテーマが韓国文化の新しいトレンドとして認められるようになったのです。

映画から始まり、ドラマで認められた復古ブームはミュージカルなどの公演にも現れてはじめました。1990年代に青春を謳歌した世代が当時を懐かしく思うのは当たり前のことかも知れません。ところが、当時をまったく知らない10代、20代の若者たちも復古ブームにのって、1990年代の文化を新しい文化として受け入れ、いっしょに楽しんでいるのです。今の10代、20代にとって、1990年代の文化は、自分たちが触れたことのないまったく新しいものとして受け入れられています。最近の音楽やトレンドとは違って、統一されたイメージではなく、個性あふれ、クオリティの高い90年代の文化の多様性が今の若い世代にもアピールしているのです。

復古ブームは若者の街と呼ばれる弘益(ホンイク)大学界わいのクラブでも感じることができます。最近人気のK-POPの合間に1990年代の音楽が流れるようになり、クラブとはあまり縁のなかった3、40代の客層も増えているそうです。

1990年代の文化を中心とした復古ブームは、今、韓国文化全般にかけて活気を吹き込む新しいトレンド、新しい刺激剤となっているのです。

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