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文化

「ストーリーテリングの時代」に活躍が目につきだした解説者の活動

2013-04-09



ソウルの都心、中区(チュング)にある韓国観光公社の本社ビルで文化遺産解説者を目指す人たちを対象にした歴史の授業が行われています。この日のテーマは「写真で見る都、漢陽(ハニャン)」で、朝鮮王朝時代の都、漢陽、今のソウルの風景を写真に撮り、それにまつわる話を教えています。この他にも建築学や歴史学など、いろいろな観点から都の漢陽に関する授業が行われます。

体験型の学習、遺跡や博物館の見学、森の中のトレッキングなど興味深いけれど、退屈しがちな場所はいろいろあります。しかし、こんな場所に解説者が登場して面白い話や説明が加わると有意義な時間を作り出すことができます。これが、伝えたいことを物語や話を引用することによって聞き手に印象づけるストーリーテリングです。韓国では解説者がその役割を果たしていて、最近は博物館や遺跡のある所はどこに行っても解説者がいるようになりました。

ソウルの東部、城東区(ソンドング)のトゥクソムにある「ソウルの森」では毎週火、水、金曜日、1日2回、森の解説者の説明を聞きながら歩く、探訪ツアーが進められています。森に関する説明や観察に集中してもらうため、一度に参加できる人数は20人に制限されています。1時間半ほどの探訪ツアーを進めるのはボランティアの解説者です。ただ森を見たり歩いたりする時と、説明を聞いたことで昆虫や鳥、植物など森についての知識を得た段階で見る時とは感動が違います。ソウルの森探訪ツアーは平日と週末、そしてテーマごとに違うコースとストーリーが準備されています。小学生以上を対象にする平日の探訪ツアーでは「ソウルの森」の地理や地形、森のなかの動植物などについて紹介しています。



始めに紹介した朝鮮の都、漢陽の解説者には1日4時間の活動に、交通費と食事代込みで3万5千ウォンが支払われます。解説者の仕事は職業というよりはボランティアに近いのです。解説者として活動している人たちはお金よりはやりがいに意味があるといいます。

ボランティアとはいえ解説者になるまでの過程は簡単ではありません。現在、ソウルの鐘路区(チョンノグ)と中区で進められている「都、漢陽の解説者の養成過程」も歴史の勉強から応急措置の要領まで、いろんな分野でのトレーニングが必要です。週に2回、4時間ずつ進められる授業だけではなく、5回の実務教育、8回の現場教育などを経て、やっと解説者となるための試験を受ける資格を取ることができるのです。試験のレベルも高いのですが、試験に合格してもすぐに解説者として活動するわけではありません。数ヵ月間の実習が必要です。こうした過程はすべて正しい知識をベースにした解説者を養成するためです。

昔話を聞くような気分でいろいろな情報に触れることができるストーリーテリングの時代。もっと多くの知識と情報を正しく伝えるため、いろいろな分野で活動する解説者の役割が注目されています。

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