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文化

ソウル聖水洞のハンドメードシューズ・タウン「靴職人の街」

2013-04-16



サイズが合わない靴を履いて苦労したり、歩きやすい靴を見つけるためにいろんな店に立ち寄ったりしたことはありませんか。ソウルにはそんな人におすすめの街があります。ソウル地下鉄2号線聖水(ソンス)駅の1番出口を出たところにある聖水洞(ソンスドン)ハンドメードシューズ・タウン。30店あまりのショップと350あまりの工場が集まっているこの街では靴職人が作った靴を安く買うことができます。

ハンドメードシューズは一昔前までサロンシューズと呼ばれ、ソウルの都心、鐘路(チョンノ)や南大門(ナムデムン)、そして明洞(ミョンドン)に近い会賢洞(フェヒョンドン)界わいに店が集まっていました。ところが、その一帯に次々と大手デパートができ、靴を作っていた工場の居場所がなくなり、当時、土地がまだ安かった聖水洞に靴の工場と靴職人が集まるようになりました。中国で作られたブランドものの靴が大量に入ってきて一時は靴職人の後継者がいないという時期もありました。30年あまり前、手作りの靴の伝統と技術を守ろうと意気投合した靴職人たちが手を取り合って作ったのが聖水洞ハンドメードシューズタウンです。

現在、ここ聖水洞ハンドメードシューズタウンにはソウルの製靴業、つまり靴を作る業者の86%が集まっていて、靴を作るためのあらゆる材料もそろっています。シューズタウンにある中小規模の業者のほとんどは今、OEM方式、つまり、相手先企業のブランドをつけて販売される方式で靴を作っています。韓国の大手ブランドの靴のデザインから生産までほとんどの過程が聖水洞界わいの工場でなされているのです。中には海外ブランドの開発をまかされている業者もいて、韓国の製靴技術は世界的に認められています。しかし、靴は手間がかかる作業が多く、収入は多くないため、その技術を受け継ごうとする若者はあまりいません。こうした問題を解決するため、ソウル市と聖水洞がある城東区(ソンドング)が若い靴職人を養成するための対策に乗り出しています。



城東区の中小企業支援センターには製靴技術を伝えていくための訓練コースが作られ、5カ月間でハンドメードシューズを作るための全過程を無料で教えています。また、毎月第1、第3土曜日、聖水洞ハンドメードシューズタウンでは街を広報するためのイベント、シューシューマーケットが開かれます。いつもの半額ほどで靴を買うことができ、気に入ったデザインの靴をオーダーメードすることもできます。また、靴を作る過程なども公開されます。

靴職人の経験とノウハウで作られる靴には独特な魅力があって、皮が柔らかく、線もなめらかです。一足一足、履く人の足の特徴を考えて作られているからです。歩きやすく、長持ちするのもハンドメードシューズならではの魅力といえます。テレビ番組を通じて聖水洞ハンドメードシューズタウンが知られるようになり、シューシューマーケットもにぎわうようになりました。靴職人たちの顔や声に活気があふれます。

ファーストフードのように大量生産される靴があふれる時代ですが、聖水洞ハンドメードシューズタウンでは靴職人のこだわりとぬくもりがつたわってくる手作りの靴に出会えます。

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