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文化

自分の限界に挑むスポーツ、マラソンブーム

2013-04-23



ゴールに向かってひたすら走り続けるマラソンは誰にも頼ることができない自分との戦いですが、最近、韓国ではこの自分との戦い、マラソンに挑む人が増えています、

韓国のマラソン人口が増え始めたのは10年ほど前からです。それまでマラソンは特定の人だけのスポーツと思われていましたが、10年ほど前から40代から50代の人が中心となった同好会ができ始め、徐々に若い人たちにまで広がっていきました。マラソンに対する認識にも変化がありました。一昔前まで自分の限界に挑むという覚悟でフルコースに参加する人中心だったのが今はファン・ラン、つまり楽しむために走る人が多くなっていて、友だちや家族といっしょに素敵な思い出を作るためにマラソン大会に参加する人も増えています。

さまざまなスポーツの中でも一番つらい種目とされるマラソンがトレンディなスポーツの一つになるとスポーツ用品メーカーも定期的にマラソン大会を開催するようになり、韓国では毎年、春から秋にかけて250回あまりのマラソン大会が開かれます。

マラソンの起源は紀元前490年、ギリシャ軍とペルシャ軍が戦った「マラトンの戦い」でギリシャ軍が勝利したことを知らせるため、フェイディピデスという兵士がマラトンからアテネまで、40キロを走ったこととされています。1896年、ギリシャのアテネで開かれた近代オリンピックの第1回大会からマラソンはオリンピック正式種目に採択されましたが、42.195kmと設定されたのは1908年のロンドンオリンピック大会からでした。

マラソン強国といえば、アフリカを思い浮かべますが、韓国の選手たちも立派な成績をおさめています。1936年のベルリンオリンピックでソン・ギジョン選手が、1992年のバルセロナオリンピックでファン・ヨンジョ選手がそれぞれ金メダルを、そして、1996年のアトランタオリンピックではイ・ボンジュ選手が銀メダルを獲得しました。特に、イ・ボンジュ選手はその後もアジア大会や世界4大マラソン大会の一つ、ボストン・マラソン大会などで優勝をはたし、韓国を代表するマラソン選手として世界的に活躍しました。

マラソンは技術より地道な努力と精神力、持久力が必要なスポーツです。最近の記録をみるとスピードも速くなっています。マラソン大会でも先頭グループの優勝争いは最後まで目を離せません。持久力にスピードが加わっったことでマラソンはますます面白いスポーツになっています。

最近は会社でもマラソンが人気を集めていて、同好会もたくさんあります。いっしょに走ることでストレスの解消にもなり、チームワークもよくなります。また、マラソンは根気の要るスポーツで、入社試験でマラソン10キロを完走したという証明書を添付すると一定のインセンティブを与えるという会社も登場しています。

マラソン大会に参加した人たちはマラソンを通して人生の峠を乗り越える知恵を得ることができたといいます。マラソンで一番苦しい瞬間を克服した時の快感が再び走り出す力になるように、人生で峠を迎えた時もそれを乗り越えればいつか必ず立ち直れるというのです。苦しい瞬間も自分のペースを守りながら走り続ければ必ずゴールは見えてきます。人生も同じで、どんな壁にぶつかってもその状況を受け入れ、落ち着いて対応することで解決の糸口を見つけることができるというのです。マラソンから得る人生の知恵、これが大勢の人が
マラソンに魅力を感じる秘密なのかも知れません。

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