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文化

韓国の伝統音楽のリズムをアレンジして新しい音楽を作っている打楽公演チーム「共鳴」

2013-05-14



舞台に設置されたスクリーンに青い海が映し出され、波や船の汽笛に似た音楽が流れはじめます。目を閉じてその音楽に耳を傾けると、客席からは、海に浮かぶ島のように感じられます。音楽で舞台に海を再現しているのは、韓国の伝統的なリズムをベースにした新しい音楽を披露する打楽公演チーム「共鳴(コンミョン)」です。

1997年にデビューした公演チーム「共鳴」は韓国の伝統音楽、国楽をベースに、若い人たちにも楽しんでもらえるトレンディな音楽を作っています。彼らはより幅広い音楽を披露するために新しい楽器も開発しています。2011年、「共鳴」は小学校の音楽の教科書に「国楽の近代化」という項目で紹介されました。また、2013年、今年は「共鳴」の代表曲「共鳴遊戯」が、中学校の音楽の教科書に収録されています。韓国の伝統音楽をアレンジした「共鳴」の音楽はワールドミュージック博覧会などでも紹介され、彼らは韓国を代表するミュージシャンとなりました。

「共鳴」というネーミングには伝統音楽をベースにした新しい響きを作り出したいという願いが込められているそうです。固有の振動数が同じ物体が共鳴するように、演奏を通じて聴衆と一つのフィーリングを分かち合いたいという気持ちが込められています。また、メンバーたちが作った楽器のなかに竹を使った「共鳴」という打楽器があり、その楽器を使うようになったことがきっかけで「共鳴」という名前で活動するようになったのだそうです。

今、ソウルの大学路(テハンノ)では「共鳴」のデビュー16周年を記念して企画されたコンサートが開かれています。公演の背景となっているのは韓国の南部、全羅南道(チョルラナムド)麗水(ヨス)の小さな島、鳶島(ヨンド)です。「共鳴」のメンバーたちが2年間、この島を旅しながら感じた自然の音を音楽で表現したコンサートです。コンサートのタイトルは「With Sea」。最初の曲は殺風景な都会を表す映像と音楽からスタートして、最後には青い海にたどり着くイメージで終わります。荒れた海、静かな海、真夜中の海、そして暗い海を照らす灯台も登場します。いろんな表情を持つ鳶島の海を映像と音楽で表しています。

ホンモノの波の音と楽器が作り出す音が調和して幻想的な海を再現します。こうした演奏を可能にしているのは「共鳴」のメンバーたちが作った楽器があるからです。今回のコンサートで紹介された新しい楽器は20センチほどの長さの竹に穴を開け、息を吹き込んで船の汽笛のような音を出す「チュックン」です。2005年に作った電子チャングは鼓のチャングをはじめ、鉦や銅鑼、琴など好きな楽器の音を入力して、打楽器だけでなく弦楽器のメロディも作り出すことができます。

デビューから16年。打楽公演チーム「共鳴」はいつも韓国の伝統音楽をベースにした新しい音を追求してきました。そして、そんな彼らの姿は国楽を専攻する若者たちの新しいお手本となっています。よほど人気のあるチームでなければ、チケットの売上げだけで生計を立てることはできません。しかし、「共鳴」はオリジナリティで勝負し、それが世界的な舞台で受け入れられたといえます。

韓国の伝統楽器や音楽のリズムをアレンジして新しい音の世界を作り出している「共鳴」の音楽は、今、韓国を代表する響きとして評価されています。

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