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文化

夏を元気に乗りきるためのスタミナ料理

2013-07-30



今年の夏、韓国では例年より長い梅雨と30度以上の暑さが続いています。心もカラダも夏ばてしそうになった時、韓国の人たちはさまざまな夏向きのメニューで元気を取り戻します。

夏至が過ぎた後の本格的な夏の時期を三伏(さんぷく)といいます。三伏は陰陽五行説に基づく暦の一つで、初伏、中伏、末伏の3つの期間に分けられ、その期間を合わせると30日あまりになります。古くから韓国の人たちは、三伏の日にスタミナのつくメニューを食べ、元気を補ってきました。たとえば、農作業の合間には間食を食べ、庶民は年に1、2回しか食べられなかった動物性たんぱく質、つまり肉などを食べて夏バテを防ぎました。今は栄養豊かな食べ物があふれる時代ですが、それでも三伏など暑い盛りにはちょっとカロリーのあるメニューがおすすめです。



韓国の夏のスタミナ料理といえば、何と言ってもサムゲタンです。サムゲタンは若鶏に、高麗人参、ナツメ、栗、もち米などを詰めてじっくり煮込んで作ります。サムゲタンは食欲がなく、冷え性の人に良いとされ、慢性の下痢にも良いとされています。暑い夏にこれまた熱いサムゲタンを食べる理由は冷たいものを食べることで疲れた胃腸を温めるためです。鶏はもっとも身近なたんぱく質の元で、肉だけではなく、軟骨などコラーゲンも摂取することができる食材でした。

熱々のスープが大好きな韓国人。韓国人が夏の暑さをしのぐために作るスープにはいろいろありますが、チュオタン、ドジョウ汁もその一つです。ドジョウを意味する鰍魚(チュオ)という漢字からも分かるように、チュオタンは秋に食べるメニューでした。しかし、たんぱく質がたっぷり含まれたドジョウは、夏に元気を補うのにも良い食材ということが知られるようになり、最近は秋より夏のスタミナ料理として人気を集めています。ドジョウにはコラーゲン、各種のビタミン、カルシウム、たんぱく質、必須アミノ酸などがたっぷり含まれていて、消化も良く、温かい性質があります。暑い夏、食欲がなく、元気のない人にぴったりの食材です。



夏に人気のスタミナ料理にうなぎは欠かせません。各種のビタミンや不飽和脂肪酸がたっぷり含まれたうなぎは、お肌によく、疲労回復や成人病の予防にも効果があるとされ、女性や子どもにもおすすめのスタミナ料理です。他の食材に比べてカロリーが高い方なので、なるべく、玉ねぎやサニーレタス、春菊などの野菜といっしょに食べるのがよいでしょう。

ダイエット中の人や、肉や魚が苦手な人にはコンククス、豆乳のスープを使った冷たい麺がおすすめです。煮た大豆をすって作る白いスープにコシのある麺の食感を楽しめるコンククスは、コレステロールがほとんどなく、免疫も高めてくれる最高の料理です。

夏に人気の麺類にはコンククスの他にそば粉で作る冷麺があります。暑い夏、麺が好きな人におすすめの一品です。冷たい性質の冷麺には動脈硬化を予防したり、血液をさらさらにする効果があります。ただし、消化はあまり良くないため、大根を添えて食べるのが良いでしょう。水冷麺はそば粉で作る麺の冷たい性質をより冷たくするので、冷え性の人は水冷麺よりは唐辛子粉のタレで冷たい性質を補うピビム冷麺をおすすめです。



最も暑い期間、三伏のうち、初伏と中伏は過ぎ、残ったのは8月12日の末伏だけとなりました。とりわけ暑い今年の夏を韓国のスタミナ料理で乗りきってみてはいかがでしょうか。

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