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文化

トレンドに合わせて進化しつつあるユニークな図書館

2014-01-21

去年の12月、ソウルの永登浦区(ヨンドゥンポグ)にオープンした「お姉さんちの小さな図書館」。この図書館では、子どもたちがおやつを食べたり、お母さんといっしょに本を読んだりすることができます。静かな一般の図書館では小さな足音さえ気になります。図書館に行きたくても、小さい子がいるとどうしても気が引けます。「お姉さんちの小さな図書館」は、そんなお母さんたちのニーズに応えて生まれた、本を読みながら自由に遊べる、子どものための図書館なのです。こうしたユニークなコンセプトの図書館は他にも見られます。トレンドに合わせて韓国の図書館が進化しているのです。

ソウルの冠岳区(クァナック)の庁舎内にある「竜の夢をみる小さな図書館」。この図書館には目の不自由な人のための特別なサービスがあります。文字認識音声出力機という機械で本をスキャンすると、音声ファイルに転換して聞かせてくれるのです。目の不自由な人が多く利用する点字の本や録音されたオーディオブックは、予め、点字に打ち込んだり、録音したりする作業が必要ですが、文字認識音声出力機はその場で選んだ本をスキャンすると音声で読み取ってくれるシステムです。



冠岳区庁の1階に設置された、この小さな図書館は目の不自由な人のための専門図書館ではありません。区役所を訪れた人なら誰でも気軽に利用することができます。冠岳区では「歩いて10分で行ける図書館」作りを目指していて、街角の小さな空間を利用して図書館を作っています。区役所に設置された「竜の夢をみる小さな図書館」は203平方メートルほどの空間に1万3千冊の本が集められた、16番目の「歩いて10分で行ける図書館」なのです。

冠岳区の「竜の夢をみる小さな図書館」のように地元自治体が設ける図書館もありますが、最近は民間団体が作る図書館も人気を集めています。冒頭にご紹介した「お姉さんちの小さな図書館」は民間団体のソウル女性会がリードし、600人あまりの住民の協力のもとに作られました。市民団体と住民が意気投合して作った図書館だけに1か月ほどで集まった本は5千冊あまりに達しました。こうした熱い反応に勇気を得た「お姉さんちの小さな図書館」は新年を迎え、女性たちが持っている資格や才能を活かし、講師として活動してもらおうという「お姉さんちの学校」を企画しています。

去年の末、ソウル恩平区(ウンピョング)にオープンしたもう一つのユニークな図書館をご紹介しましょう。小説、詩、童話など、本にはいろんなジャンルがありますが、子どもたちに一番人気があるのは、やはり漫画です。恩平区(ウンピョング)碌磻洞(ノッポンドン)にオープンしたのは漫画の図書館です。学習用の漫画ではなく本当の漫画だけが集まっている図書館は、子どもだけでは大人の利用も多いそうです。床暖房のオンドル部屋になっている漫画図書館は、寒い冬、子どもにとっても大人にとってもにうれしい憩いの空間なのです。



これまで、図書館は静かに本を読んだり、勉強したりするために訪れるのが当たり前でした。もちろん、基本的な図書館の機能は、今も変わりません。しかし、最近の韓国には本を読むだけではなく、文化講座や展示会はもちろん、交流の場として、また、子どもたちの遊び場として利用できるユニークな図書館が多くなっているのです。

こうした図書館の進化で、気軽に図書館を訪れるようになるほか、遠ざかっていた人と本の距離を縮める大きな役割を果たしています。

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