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文化

インターネットで読む漫画、ウェブトゥーン

2014-06-10

2013年、韓国で大ヒットした映画「隠密に、偉大に」は、北韓から韓国の下町に送り込まれたエリートスパイ3人が繰り広げるハプニングを描いたものです。奇想天外な発想と華麗なアクションで人気を集めた映画「隠密に、偉大に」の原作は、同名のウェブトゥーン、インターネット漫画でした。



伝説のファイターたちの対決を描いた「伝説の拳」をはじめ、アパートが舞台の奇妙な話をモチーフにした「アパート」、ロマンチックな恋物語を漫画にした「純情漫画」など、ドラマや映画化されたウェブトゥーンはほかにもあります。

ここ数年、ウェブトゥーンは韓国文化コンテンツの最前線で、さまざまなジャンルのコンテンツを生み出す、重要な役割を果たしています。つまり、ウェブトゥーンを通して読者の共感を得た素材は、大衆性という点で、一応の検証が済んだ作品ということになります。最近、ウェブトゥーンで可能性が検証された作品を映画やドラマ、ミュージカルに制作する仕組みが出来上がってきています。

「ウェブトゥーン」とは、インターネットを意味するウェブに、漫画という意味のカトゥーンを合わせて作られた造語です。1990年代の後半、韓国ではインターネットに漫画を連載する漫画家が登場し始めました。ネットにアクセスするだけで、場所や時間にとらわれることなく楽しめるウェブトゥーンは、若者を中心に多くの読者を確保することができました。ウェブトゥーンは韓国のIT環境が生み出した文化といえます。ウェブトゥーンの誕生から10年あまりが経ち、スマートフォンの普及によってその人気はますます高まっています。



ウェブトゥーンの一番の特徴はネットを使っているため、制作と消費の循環が速いということです。作家は、読者からの感想や意見、ホットな話題やトレンドをリアルタイムでキャッチし、ウェブトゥーンに反映させます。漫画家と読者、そして読者と読者が、ウェブトゥーンを通じて、互い共感し、コミュニケーションできることがウェブトゥーンの最大の魅力なのです。インターネットの普及は、音楽、映画、ゲームと同じく、漫画にも大きな影響をもたらしました。しかし、ウェブトゥーンの登場で、漫画はインターネットとの共存関係、つまり、新たなインターネット文化を作り出したのです。そして、この新しいネット文化の影響力は年々広がっています。

ネット上に初めて漫画が登場した1999年当時、ウェブトゥーンは、漫画家が個人的に掲載する漫画に過ぎませんでした。2002年3月、ヤフーコリアが「カトゥーン世界」というコーナーを立ち上げたことで本格的なウェブトゥーンサービスがスタートしたのです。漫画家を目指す人たちもウェブトゥーンに傾いているともいわれます。ウェブトゥーンは漫画家と読者のフィードバックが速く、心理的な距離が近いだけに、読者の興味と共感を呼べるアイデアがあればデビューすることができるからです。



ウェブトゥーンは、今、インターネットで見る漫画という壁を乗り越え、映画やドラマ、演劇、ゲーム、広告などの素材として活用されています。ウェブトゥーン市場の規模も年々大きくなっていて、来年はおよそ3千億ウォン代に達する見込みです。また、海外でも韓国のウェブトゥーンに対する関心が高まっています。ヨーロッパのカトゥーン、アメリカのヒーロー漫画、日本のアニメのように、韓国はウェブトゥーンで世界の漫画市場を切り開こうとしているのです。

パソコンで、あるいはスマートフォンで、いつどこでも楽しめるウェブトゥーンは、今、新しい韓流をリードする文化コンテンツとして期待を集めています。

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