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文化

韓国の大きな祭日の一つ、秋夕の風景

2014-09-02

陰暦の8月15日は秋夕(チュソク)、旧盆で、今年は来週の月曜日、9月8日に当たります。韓国では秋夕の前後1日が休日となるため、週末と秋夕の連休がつながる今年は、いつもよりちょっと長めの連休になります。秋夕には、家族や親戚が集まって、先祖の墓参りをし、秋の収穫に感謝する祭祀を行うのが習わしで、秋夕が近づくこの時期になると、大手のスーパーや市場は大勢の人でにぎわいます。



久しぶりに家族が集まって、おいしいものを食べながら話に花を咲かせるのでしょう。先祖を祭る茶礼(チャレ)の準備をし、久しぶりに大家族が集まるだけに何かとお金はかかりますが、家族のために買い物をしているお母さんたちは何となくうれしそうです。

秋夕に忙しくなるのはお母さんたちだけではありません。日本でお盆の時期にお中元を贈るように、韓国でも秋夕にはお世話になった人や取引先などに贈り物をする習わしがあります。そのため、大手スーパーやデパートには秋夕のギフトセットが並べられた特設ブースが作られ、大にぎわいです。今年は例年より秋夕が早いため、肉や果物などが痛まないように特別に気を配っているそうです。宅配業者も休む暇がありません。毎年、この時期になると、1日に100軒ほどを回り、勤務時間も14時間になるというのですから大変な仕事に違いありません。それでも、プレゼントを受け取る人たちの嬉しそうな顔を見ると不思議と元気を出てくるのだそうです。

秋夕の朝早く、各家庭で行われる祭祀、茶礼には秋の収穫を先祖に感謝する気持ちが込められています。その年に取れた新米や初物の果物をお供えするのが習わしです。しかし、陰暦の暦には毎年少しずつズレがあって、今年は38年ぶりの早い秋夕となり、果物の価格が高騰しています。肉類の価格は去年と変わらないため、今年は、伝統市場でも果物の店より精肉店の方がにぎわっているようです。



餅屋も秋夕が近づくと忙しくなる店の一つです。秋夕の茶礼にお供えし、家族みんなで食べる餅、ソンピョンを買いに来る人でにぎわうのです。ソンピョンは、うるち米の粉で生地を作り、甘く味付けしたゴマや豆、栗などの安を包んで半月の形にし、松の葉を敷いて蒸して作る餅です。かつては秋夕の前に家族が集まって作っていたのですが、最近は買って食べる人が多くなったため餅屋も大繁盛です。

ここ数年、人気が高まっている祭祀料理専門店。茶礼にお供えするものは家庭で作るのが当たり前でした。しかし、最近は共働きや老夫婦だけの家庭が増えていて、作る量も少なくなったため、祭祀用の料理を作ってくれる店がにぎわっているのです。



秋夕には、帰省ラッシュで故郷に帰るのにも時間がかかり、準備するものもいろいろあって大変です。しかし、久しぶりに家族や親戚が集まって、先祖に感謝する気持ちで送る秋夕は、韓国人にとって夜空に浮かんだ満月と同じくらい明るく豊かな祭りなのです。

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