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文化

「前方の山のタリョン」ほか

#国楽の世界へ l 2022-10-17

国楽の世界へ

「前方の山のタリョン」ほか

昔は上流階層ヤンバンが楽しむ音楽と、民が楽しむ音楽が区分されていました。宮中の音楽やヤンバンが楽しんだものは、正しい楽と書いて、正楽(チョンアク、せいがく)と呼ばれました。その中でも歌は、正歌(チョンガ、せいか)と呼ばれます。一方、民が楽しんだ音楽は、今日は民俗楽(ミンソクアク、みんぞくがく)とよばれます。その中でも歌は、パンソリや民謡、または、雑歌(ザブカ、ぞうか)と呼ばれました。ソンビが楽しむような音楽ではないという意味が含まれています。最近は、専門的に歌の訓練を受けた人が歌うものを指して、雑歌といいます。雑歌の中でも、一人でおとなしく座って歌うものを座るという漢字を書いて「座唱(ジャチャン)」といい、立ったまま踊りながら歌うものは立つという漢字を書いて「立唱(イブチャン)」、または、「ソンソリ」といいます。今日は、「ソンソリ」をご紹介いたします。普通は、「ソンソリ、サンタリョン」といい、前方の山のタリョン、後方の山のタリョンなど、山のタリョンで構成されます。芸人の集団ソリペの親方が鼓チャングを持って発声をすると、残りの人々は小さい鼓を持って踊りながら共に歌います。今日は、その中で、「앞산타령、前方の山のタリョン」という曲を、チョン・ドゥクマンさん他の歌でお楽しみください。


男性の歌い手のたくましい声の曲でした。朝鮮時代末、ハンヤンではこの「ソンソリタリョン」が大きく流行りました。色んなソリペの集団が活動したそうです。小正月の「チョンウォルテボルム」には、「ダブキョ」という風習がありました。昔の人々はこの日の夜、橋を渡ると、一年間足が丈夫になると信じ、二度渡ると、一年間厄払いになると信じました。渡る橋と人の足、韓国語で両方「ダリ」と発音するんです。それで、満月の夜には、みんなで橋を渡ろうとしました。ハンヤンにはいくつかの橋しかなかったので、どれだけたくさんの人が集まったことか分かりません。そこに、ソンソリのソリペが入り込んで歌を歌ったので、人々はとても喜んだといいます。ソリペの稼ぎも悪くなかったようです。「サンタリョン」の最初の曲は、「ノルリャン」です。これから本格的に遊んでみようという意味です。山の風景を歌うようにはじめて、ラブストーリーで終わります。今度は、この歌に、遊びに出かけたい今の若者の気持ちを表現した曲をご紹介いたします。ウェギョルバンドの歌で、「ノルリャン」という曲です。


韓国は山が多いからか、山をテーマにした歌もたくさんあります。今度は、全羅道(チョンラド)地方の「サンタリョン」をご紹介いたします。この地方の人々は、田んぼに行くときやたきぎを集めるときも、この歌を歌いました。天と地と月は年老いることなく長らくそのままだが、人間は寂しいこの地で100年ほど生きる、という内容の歌詞です。今日の最後は、パク・ヤンドクさんの歌で、「남도산타령、南道の山のタリョン」という曲をお楽しみください。この歌は、寒いのか、暑いのか、私の懐に入ってきなさい、枕が高すぎたり、低過ぎたら、私の腕枕を使いなさい、という優しい言葉を語り掛ける内容の歌詞で構成されています。

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