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文化

「ハンサンセモシ」ほか

#国楽の世界へ l 2023-06-20

国楽の世界へ

「ハンサンセモシ」ほか

昔の人々は、夏になると、からむし織り「モシ」や麻織物「サムベ」で服を作って着ました。両方麻という植物からの糸で作るものです。大麻の繊維で作ったのが「モシ」で、苧麻の繊維で作ったのが「サムベ」です。モシの方が色が明るく美しいのが特徴です。モシの中でも布目がきれいなものを、「セモシ」といいます。特に、忠清南道(チュンチョンナムド)ハンサンという地域のセモシが有名で、ハンサンセモシは今でも最高だとされます。布目がきれいで大変薄いため、ハンサンセモシで作ったハンボクを水に濡らしてから絞ると、一握りになるといいます。きれいな布に糊付けをすると、トンボの羽のような服になりました。ハンサンセモシで作った服を着るのが、当時の女性には最高の贅沢だったそうです。全羅南道(チョンラナムド)コフンという地域には、「ハンサンセモシ」という歌があります。ハンサンセモシで作ったトンボの羽のような服を着て、芸人の集団サダンペを見に行くという歌詞です。出かけた場所で、素敵な人に出会うことができたら、という願いもこもっているようです。


以前は歌を習わなくても、村には歌が上手な方がいたものです。機織りをしたり、草刈りをするとき、一休みするときや遊ぶときも、常に歌があったからです。自ずと歌の練習ができたのでしょう。特に、全羅南道チンドは、歌が好きで上手な方が多いことで知られます。今でも、市場で人を呼び止めて歌わせると、照れることもなく立派に歌うそうです。昔は旅人が訪れると、女性らが、まず歌を歌わせてみたというお話もあるんです。中でもチンドを代表する曲には、「チンドアリラン」があります。韓国では、アリランの歌詞が分からない人はいないはずです。なので、みんなで遊んでから、分かれる際には、「チンドアリラン」を歌ったのです。「チンドアリラン」は、それほど古い歌ではありません。南道(ナンド)地方には、元々「サンアジタリョン」という民謡がありました。それを、テグムの散調(サンジョ)を作ったことで有名なパク・チョンギさんが、「チンドアリラン」に編曲したのだそうです。


このようにみんなで向かい合って一節ずつ歌うと、自分のお話も歌にして表現したものです。姑の悪口や、息子や娘の自慢話などをしていると、大変な暮らしの中でも、また力を出すことができたのです。今度は、色んな島を回り、島の住民のストーリーをもとに歌を作るプロジェクトを行っている、ノオルリャンの歌です。今日は中でも、全羅南道ヨスにある小さな島、ナバルドの歌をご紹介いたします。島のおばあさんたちが名前を名乗り、自分のストーリーを歌う歌詞で構成されます。日常のお話や息子の自慢話など、懐かしい気持ちになる歌です。

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