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文化

「夢である」ほか

#国楽の世界へ l 2023-06-27

国楽の世界へ

「夢である」ほか

「フンタリョン」は、「ユクチャベギ」と共に、全羅道(ジョンラド)地方を代表する民謡です。ゆっくりの拍子に合わせて、人生の空しさや愛する人に対する懐かしい気持ちを歌うため、とても悲しい歌です。その中でも、全てが夢であり、君も私も夢の中で、目覚めるとまた夢で、夢の中で生まれ、夢の中で生き、夢の中で死ぬ人生は空しい、という歌詞の歌があります。人生が全て夢だと考えると空虚な気もしますが、本当に大変なときや病気のときなどは、「夢だから大丈夫」と考えると少しは慰めになるかもしれません。今日は、この「フンタリョン」という曲を、ムーンバートンというジャンルに編曲した音楽をご紹介いたします。ムーンバートンは、エレクトロニックの音響をベースにし、レゲトンの拍子の影響を受けてできたジャンルです。


この曲は、国立国楽院で作った生活音楽シリーズに収録されています。生活音楽シリーズは、日常の中で歌謡やポップソングを聴くように、国楽を手軽に楽しめるよう、国楽のテーマをもとに作った音楽を発表するものです。国立国楽院で、生活の中の国楽について考えたのは、きっと1994年に発売された「生活国楽全集」がその始まりだと思います。当時は最新の媒体とされたCDに、それぞれ題目を付けて、必要な音楽を選択できるようにしました。このときは、韓国の伝統音楽が消えてしまうかも知れないという危機感が大きかったので、伝統音楽を継承することを重視したものです。その後30年の歳月が過ぎ、伝統は守りながらも今の人に合った音楽が必要だというコンセンサスを成し、「生活国楽」ではなく、「生活音楽シリーズ」ができたのです。今度は、京畿(キョンギ)の雑歌(ザブカ、ぞうか)、「遊山歌(ユサンガ)」をテーマにした音楽です。もともとは難しい漢字の歌詞ですが、分かりやすい歌詞に変えた音楽です。


今度は、色んな楽器の音をサンプリングして作った音楽です。DJ Frankは、2018年、一万の神に仕える人、つまり巫女という意味の映画、「MANSHIN」からインスピレーションを受け、同じ曲名の音楽を発表し注目を浴びました。この映画は、黄海道(ファンヘド)のキム・グムファさんの生涯を描いた作品です。韓国で黄海道の祭祀グッを引き継ぎ、1985年には国の無形文化財に登録されるほど、歌と踊りに優れた方です。DJ Frankの「MANSHIN」という音楽にも、キム・グムファさんの声が登場します。今日ご紹介する音楽にもムーダンの鈴の音が出るんです。ムーダンの生涯を描く映画の影響を受けて音楽を作った経験からか、この曲にもチャング、テグム、ヘグムなどの楽器と共に、巫女ムーダンの鈴の音が出てきます。昔の芸者クァンデの踊りを表現しようとしたそうですが、今の踊りにもよく似合う音楽になったようです。

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