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文化

「秋風感別曲」ほか

#国楽の世界へ l 2023-10-03

国楽の世界へ

「秋風感別曲」ほか
昔の人々は、それぞれ異なる三種類の音を好みました。赤ちゃんの泣き声、女性が布を打つ音、そして、本を読むときの声です。最近は声を出して本を読むことはあまりありませんが、声を出して読むと集中力が高まり、正確に読む能力が向上するとのことです。昔の学者ソンビも、本を読むときは朗々とした口調で読んだものです。そのように読んでいると、自ずとリズムができます。本を読むことが歌に変わったものを、専門の歌い手が聞きやすく直し、「誦書(ソンソ)」という音楽ができました。今日の最初は、ある女性が秋の日の夜、愛する人を恋しく思う内容の誦書です。

本を読む声を歌にした誦書は、ソンビが楽しむ歌でした。一方で、アンドンという地域のキーセンは儒教の「大学」、ヨンフンという地域のキーセンは朝鮮王朝の「龍飛御天歌(ヨンビオチョンガ)」、ハムフンという地域のキーセンは諸葛亮が作ったという「出師表」など、地域ごとにキーセンが得意な本もあったと言います。「秋風感別曲」は、ある小説から、一部の内容を抜粋して歌うものです。小説の主人公の彩鳳(チェボン)が婚約者と離れ離れになっていたとき、相手を恋しく思う内容の部分です。今度は、「詩唱(シチャン)、關山戎馬(クァンサンユンマ)」という曲です。詩唱も本を読むことから由来したジャンルですが、散文ではなく、漢詩を読むことから由来します。秋の風が冷たくお魚も冷えているのに、ある旅人が楼閣に立っているという内容です。穏やかなリズムに、寂しい秋の雰囲気が漂う曲です。この歌を聴いてこそ、秋が来たことを実感できる、という方もいらっしゃるかも知れません。

タンソの演奏も、歌声も、まるで秋空のように清い感じがする音楽です。このような雰囲気のためか、シン・クァンスさんがこの「關山戎馬」という詩を作ってからまもなく、多くの芸者キーセンがこの歌を楽しんだそうです。シン・クァンスさんも平壌(ピョンヤン)に行ったとき、モランという名前のキーセンが目の前でこの歌を歌っている姿を見て、感嘆したと言います。モランが「關山戎馬」を歌うと、その声が、まるで流れる雲を止めるようであった」と、感想を記録しました。モランは、当時、「關山戎馬」を一番上手に歌える人であったようです。白髪ができる歳になってからも、宮中に招かれて「關山戎馬」を歌うと、みんな驚いたといいます。最後は、同じ音楽を現代風に編曲した歌です。秋の日に感じる寂しい気持ちは、昔も今も変わらないでしょう。でも、二つの音楽を聴き比べてみると、それを表現する方法には差があったようです。

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