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文化

「四季の歌」ほか

#国楽の世界へ l 2023-10-31

国楽の世界へ

「四季の歌」ほか
音楽が好きな方が、季節の変わり目によく聞く曲のひとつが、「四季の歌」です。「この山、あの山」と始まり、春、夏、秋、冬を人生に例えた歌です。若い時はそのありがたさに気が付かなかったものの、「自分も歳をとった」と感じる頃には、もうかなりの歳になっていて、頭に白い雪が積もる冬になったと歌っています。しかし、歌は、これで終わりではありません。まだ生きていく歳月が長いため、これからでもうまくやってみようということです。どうすればうまくできるのかというと、悪者は先に帰らせてしまい、善人だけで集まってお酒とご馳走を楽しむと言っています。こんなに楽しく生きると、歳をとったからといって心配することもなさそうです。

短い歌と書いて、短歌(ダンガ)は、歌い手がパンソリを歌う前に、喉の調子を整えるために歌ったものです。最近はパンソリの公演に行くと10分から長くても20分ほどを歌います。でも、本来は、最後まで歌うと短い歌は3時間から4時間、長い歌は8時間以上歌うこともあります。それだけ長い時間を歌うので、歌い手の立場では準備運動のように短歌を歌ったのです。また、現場の雰囲気を把握するという目的もありました。短歌は、普通4分から6分ほど歌います。パンソリと比べて短い歌だという意味で、短歌と言ったのです。短歌は、パンソリでよく知られている場面を歌う場合もありますし、世俗を離れ自然を遊覧するという内容のものもあります。最も多いのは、先ほどの「四季の歌」のように、人生は虚しいものなので、できるだけ楽しんで生きようという内容の歌です。どうすればもっと楽しめるかは、時代ごとに差があるようです。同じ「四季の歌」でも、今の若者はまた違う歌い方をします。

京畿(キョンギ)の民謡にも、「四季の歌」があります。短歌「四季の歌」では人生を季節に例えて歌いましたが、京畿の民謡「四季の歌」は、季節ごとに変わる自然の風景と、その中で人々が楽しむ姿を表現しています。お花が咲く春には、チマ・チョゴリでおしゃれをして遠足に出かける内容を表現します。緑がきれいな夏には、楼閣の庭で散歩をし、秋には紅葉を楽しみ、冬には寒いので広い庭を速足で通る姿を表現しています。季節ごとに面白いことばかりなので、年中楽しくない日はないという内容の歌詞を歌っています。当たり前だと思っていた季節の魅力を歌にしてみると、改めてありがたい気がします。

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