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文化

「千年万歳」ほか

#国楽の世界へ l 2023-11-21

国楽の世界へ

「千年万歳」ほか
農夫が一生懸命働いてこそ、秋に収穫ができます。田畑の雑草を取ることも、そのひとつです。農夫が草刈りを怠け、雑草だらけの田畑を見ると、「コオロギが風流を楽しむ」という表現をしました。ここで言う風流とは、秋の趣きを深めるコオロギの鳴き声、つまり、音楽のことで、音楽を楽しむことを指す表現でもありました。農夫が風流を楽しんで仕事をしないから、雑草だらけになったということです。経済的に余裕があり社会的な地位も高かったヤンバンは、風流を楽しむと趣きがある人だと評されましたが、農夫は身を滅ぼすことだとされたのです。韓国の音楽用語に、弦で音を出す楽器、つまり、弦楽器が中心の音楽を指す「チュルプンリュ」という言葉があります。一方、管楽器が中心の音楽は、「テプンリュ」と言います。弦という意味のチュルと、管楽器の材料の竹を指すテという言葉に、それぞれ風流、プンリュを組み合わせた言葉です。今日の最初は、チュルプンリュの音楽です。

昔は、風流の部屋、プンリュバンという空間がありました。風流が好きな人々が集まり、演奏をしたり音楽を鑑賞する空間です。場所が狭いため、楽器は最小限に構成し、笛ピリの場合も音が小さいセピリを用いました。ここで演奏するのは、普通、「ヨンサンフェサン」という曲です。「ヨンサンフェサン」は、九の音楽で構成され、最初から最後まで演奏すると1時間近くかかります。しかし、毎日同じ音楽を演奏すると、面白くなかったでしょう。だから、いくつかの音楽を除外して短く演奏したり、「ドドゥリ」や「千年万歳」のような曲を足して演奏するなど、多様な方式で構成を変えました。演奏するときの構成は、コムンゴの演奏者が選択します。だから、この音楽を、弦楽器が中心となる、チュルプンリュというのです。管楽器の合奏曲である、テプンリュは、ピリが二人、テグムとヘグムが一人ずつ、打楽器ブクとチャング、合計6人が演奏します。このような構成を、三絃六角といいます。「ヨンサンフェサン」はチュルプンリュで演奏すると言いましたが、三絃六角の編成でも演奏できるよう変奏する音楽もあるんです。

テプンリュは、宮中で演奏した音楽と、民間で演奏した音楽が少し違います。宮中では、王様が出かけるときや宴会があるとき、宮中舞踊の伴奏音楽として演奏する場合が多かったのですが、民間ではタルチュムのような民間の踊りの伴奏音楽や祭祀グッを行うとき演奏したものです。今日の最後は、「ハンヤン、三絃六角」の音楽です。もともとは還暦のお祝いや役人のお出かけ、弓術、伝統踊りの伴奏音楽、祭儀グッのときに演奏した音楽です。祭祀のときの音楽としては、京畿道(キョンギド)やソウルでグッを行うときに演奏しました。最近は、グッを行うことがあまりないため、このような祭祀の音楽を継承することも難しくなっています。

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