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文化

「清声ジャジンハンイプ」ほか

#国楽の世界へ l 2023-12-12

国楽の世界へ

「清声ジャジンハンイプ」ほか
韓国の伝統歌曲(カゴク、かきょく)、「太平歌(テピョンガ)」から歌詞をなくして伴奏の音程を高くして変奏したのが、「清声(チョンソン)ジャジンハンイプ」という曲です。清い声と書いて「清声」は高い音という意味で、「ジャジンハンイプ」は歌曲という意味の韓国語です。この曲をテグムやタンソで演奏すると、高い音がまるで空を飛んでいるような、ひっそりと自由な感じがします。国立国楽院では、体育競技大会のためのレコード、「生活音楽シリーズ23集」に、この曲を編曲して収録しました。大会のための音楽とは、どんなものだろうかと思われるかも知れません。オリンピックのような大規模な大会以外でも、意外と体育に関するイベントは色々とあるんです。近所のサッカー大会もありますし、職場の体育会もあります。そんなとき、開幕式、選手入場、休憩時間、閉幕式などで活用できる音楽を作ったのです。どんな音楽なのか聴いてみたいと思います。

今度は、コムンゴの演奏曲です。コムンゴは、1500年以上の歴史を有する、韓国を代表する弦楽器です。高句麗のとき、王山岳(ワンサンアク)という高官が、中国のチルヒョングムを直して作った楽器です。歴史書には、コムンゴを演奏すると、黒い鶴が飛んできて踊ったという記録があります。昔から鶴は縁起が良い鳥だとされました。白い鶴は学者ソンビを象徴します。その鶴が千年を生きると神仙が乗るという青い鶴になり、また千年を生きると黒の鶴になると信じました。コムンゴを演奏すると黒い鶴が飛んできて踊ったということは、それだけ珍しい、縁起の良いことを意味します。そのようにして、コムンゴは最初にできたときから、ソンビの精神を象徴する楽器とされました。国楽の楽器に慣れていない方は、カヤグムとコムンゴを区分するのが難しいかも知れません。カヤグムは指で弦を押して音を出しますが、コムンゴはスルテという鉛筆のような大きさの竹で弦を叩いたり弾かせて音を出します。そのため、コムンゴを打楽器だという方もいるんです。今度は、コムンゴの打楽器のような特徴をよく生かした音楽です。

この音楽は、毎日通勤ラッシュや混み合う地下鉄で会社に向かうサラリーマンの日常を表現した「9-to-5」という音楽の最初の曲でした。最後にご紹介する音楽は民謡です。京畿(キョンギ)の民謡、「ニリリヤ」という曲は、小学校の教科書にも載っています。笛ピリの音を真似た擬声語から、「ニリリヤ」という名前になりました。ピリは音が大きく、ほとんどの音楽においてメロディーを担当する楽器です。近所の子供たちもヤナギや草の笛などを作って演奏していたほど親しまれた楽器です。だからなのか、昔の歌では、楽しいことを、ピリの音で表現することがありました。今日の最後にご紹介する曲は、この「ニリリヤ」という曲を、イ・ヒムンさんが「嫌いな民謡」という題目で再解釈した音楽です。恋しい人にいつになったら会えるだろうかと、歳月を嘆く歌詞です。実は、歌の途中で、小さい声で「嫌いな民謡」と嘆く部分があるんです。イ・ヒムンさんは、この嘆きから、この音楽を再解釈したようです。

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