小説『愛のあとにくるもの』
2024-05-15
公正取引委員会は22日、韓国の航空最大手・大韓航空によるアシアナ航空の買収を承認しました。
買収手続きを進めている大韓航空は、およそ16億ドルを投じてアシアナ航空の筆頭株主になると表明、買収完了後2年間はアシアナ航空を子会社として存続させ、2年後にはアシアナ航空のブランドを廃止し、「大韓航空」に統合すると発表しました。
買収が完了すれば、航空機の運用や航空チケットの予約・販売の効率化といった効果が期待されますが、新会社の市場シェアは60%以上となり、競争がなく独占状態の路線も出てくることから、運賃引き上げといった懸念もありました。
そのため公正取引委員会は条件付きで買収を承認しました。
その条件とは、国内または海外の新規参入企業が求めた場合、大韓航空は国際線26路線と国内線14路線の発着枠と運輸権を移譲しなければなりません。
こうした条件は買収完了後10年間適応されます。
この期間は物価上昇率を上回る運賃の引き上げは制限され、サービスの質を維持することが義務付けられます。
大韓航空の前身は1962年に政府が設立した大韓航空公社です。
1968年に財閥韓進グループが国営大韓航空公社を買収し、1988年にアシアナ航空が設立されるまで韓国の唯一の航空会社でした。
2020年11月末の時点で、航空機163機を保有し、国内の13都市、国際線は42カ国の108都市を結ぶ路線で就航しています。
一方、アシアナ航空は当初は国内線だけで就航していましたが、1990年に日本、1991年にはアメリカ、1994年には中国、1995年にはヨーロッパを結ぶ国際線に就航しました。
2021年11月末の時点で、航空機81機を保有し、航空連合「スターアライアンス」に加盟し、191カ国の1301の空港を結ぶネットワークに参加しています。
アシアナ航空は2015年に親会社の錦湖アシアナグループが経営難に陥ったことで経営が悪化しました。
人員削減や資産の売却などを通じて再生を試みましたが、結局は売却することになったものです。
大韓航空による買収が完了すれば経営の効率化などを通じて競争力が高まる効果が期待されますが、買収に伴う公正取引委員会の条件もあり、大きな効果は期待できないとの見方もあります。
また、買収が完了するには、競争各国の独占禁止法当局の承認が必要で、今後の動きが通目されています。
今のところシンガポールやベトナムなど8カ国は買収を承認しましたが、アメリカ、ヨーロッパ連合、日本、中国、イギリス、オーストラリアは審査中で結論が出ていません。
2024-05-15
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