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論点

韓国で戦術核の再配備論

2022-10-15

ニュース

ⓒYONHAP News

北韓は最近、核弾頭を搭載できる弾道ミサイルの発射を繰り返していて、弾道ミサイルと巡航ミサイルの発射はことしに入ってから少なくとも25回に上り、軍事的緊張が高まっています。

こうした動きを受けて、韓国では戦術核兵器の再配備論が浮上しています。

一方では、「核兵器に対抗できるのは核兵器しかない」として、韓国も核武装すべきだとする声も出ています。

戦術核兵器再配備論は、韓半島非核化共同宣言が事実上破棄されたことを前提にしています。

韓国と北韓は1991年12月に、核兵器の実験・製造・生産・搬入・保有・貯蔵・配備・使用をしないことなどを盛り込んだ韓半島非核化共同宣言を採択し、これに基づいてアメリカは在韓米軍に配備されていた戦術核兵器を撤収しました。

しかし、北韓はその後、核開発を続け、6回にわたって核実験を実施するなどして、宣言は実質的に機能しておらず、事実上破棄されたと受け止められています。

戦術核兵器再配備論が浮上しているのは、北韓による核の脅威が増している中、拡大拡張抑止力を強化する必要性が高まっているためです。

拡大張抑止とは、核の傘などで同盟国への核攻撃をアメリカが抑止する戦略を意味し、韓米相互防衛条約にも明記されています。

韓米間では拡張大抑止力を強化することについて協議が進んでいるとされていますが、具体的な内容は公開されていません。

与党からは強硬論も出ています。


与党「国民の力」の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)非常対策委員長は12日、北韓が7回目の核実験を強行すれば、南北の軍事分野合意はもちろん、韓半島非核化共同宣言も破棄すべきだと主張しました。

合意の破棄が戦術核兵器の再配備を意味するのかとの問いには、合意の破棄と戦術核兵器の再配備を直結して考えるのは無理があるとしましたが、戦術核兵器の再配備、進んではひいては韓国の核武装を念頭に置いた発言と受け止められています。

アメリカは戦術核兵器の再配備には、アメリカは今のところ否定的な立場です。

ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略疎通調整官は11日の記者会見で、韓国政府から戦術核兵器再配備の要請があったかという問いに対して、「われわれの目標は韓半島の完全かつ検証可能な非核化だ」としたうえで、「外交を通じた問題解決が可能だと信じている」と答え、直接的な言及は避けました。

アメリカとしては、北韓が容易に攻撃できるところに戦術核兵器を配備するのは効果的ではないとの判断もあるようです。

こうした中、北大西洋条約機構(NATO)の核共有制度など、より多角的な対応策を検討すべきだとする声も出ています。

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