漢字で餅湯と書くトックッを旧暦の正月にいただく風習は中国の唐の時代に伝わった。中国では餅はコメではなく小麦粉でつくったものをいうが、韓国では小麦がよくとれなかったため、コメでカレトッ(細長い棒状の餅)をつくり、それを切ってトックッにして食べた。開城(ケソン)では小さい雪だるまのような形にした、ジョレンイトッでをつくって食べ、ソウルの人たちはそれより大きなトッでトックッを食べたという記録が残っている。
主な材料 :
カレトッ400g、牛胸肉200g
ヤンニョム(味付け) :
牛肉の味付け : 朝鮮しょうゆ小さじ1、にんにくのみじん切り小さじ1/2、ごま油小さじ1、こしょう小さじ1/4
肉をゆでるときの材料: 長ねぎ1本、大根50g、朝鮮しょうゆ小さじ1、にんにく5粒
飾り(ジダン) : 卵2個、塩小さじ1/4
最後の味付け : こしょう小さじ1/2、ごま小さじ1、ごま油小さじ1
カレトッは斜め薄切りにし、洗って水気を切っておく。 牛肉は冷水に20~30分つけ血抜きし、1リットルの水でゆで、煮立ってあくが浮いてきたら火を止め、ゆで汁を捨てる。肉は水で洗う。 洗った牛肉をもう1度1リットルの水でゆでる。今度は長ねぎ、大根、朝鮮しょうゆ、にんにくを加えて1時間ぐらい中火でゆでる。牛肉は取り出して冷まし、ゆで汁は濾す。 卵は黄身と白身に分けてそれぞれ薄く焼いてジダンをつくる。長ねぎは小口切りにする。 ゆでた牛肉は繊維の方向と並行に裂いて味付けする。 ゆで汁を強火で煮立たせ、切っておいたカレトッを入れ、浮き上がってきたら中火にして3分ぐらい煮て火を止める。 やわらかくなったカレトッを器に入れスープをそそぎ、その上に、味付けして裂いておいた牛肉や黄色と白のジダン、ねぎなどをのせる。 ☑ カレトッはつくりたてのものではなく1日ぐらい風通しのよい日陰で乾かし、表面は固く中はやわらかくしたものを使うのがよい。
☑ 牛肉は不純物が多いので、ゆでるときは、煮立ってすぐに、あくの浮いたスープを捨てて肉を洗い、水を取り替えてゆでなおすと、澄んだおいしいスープができる。
☑ 取り出した牛肉は表面が乾かないように、濡らした綿布などで覆って冷ます。
☑ カレトッをゆで汁にゆでるときは、つくりたてのものなら浮き上がってきたらすぐに火を止め、1日乾かしたものなら浮き上がってきたら中火にして3分ぐらいさらに煮る。
☑ 朝鮮しょうゆ(韓国伝統の方法でつくったしょうゆ)や塩、こしょうで味をととのえる。
キム・スジン院長: 韓国料理研究家
現在、韓国の味研究会理事、フード・アンド・カルチャー・コリア・アカデミー院長
韓国で初めての「映画の飲食監督」として、料理の新分野を開拓
代表作 <霜花店(サンファジョム)−運命、その愛>、<美人図>、<王の男>、<食客>