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ライフスタイル

第648話 ムン大統領とユン次期大統領の会談あれこれ

2022-03-29

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

ムン・ジェイン大統領とユン・ソンニョル次期大統領の会談が、3月28日、ようやく実現しました。

大統領と大統領当選者、つまり次期大統領は、大統領選挙が終わった後ほどなく会談するのが慣例ですが、今回は大統領選挙後19日後に行われ、これまでで最も遅い会談となりました。ちなみに2007年のノ・ムヒョン大統領とイ・ミョンバク氏、2012年のイ・ミョンバク大統領とパク・クネ氏はいずれも大統領選の9日後に会談しています。

ユン次期大統領が大統領府・青瓦台(チョンワデ)に到着したのは午後5時59分。ムン大統領は執務室のある与民館の前で待っていました。ムン大統領の執務室は政権が発足してから与民館に移転してきました。ユン次期大統領が大統領執務室の移転が必要な理由として挙げた一つに、大統領執務室のある本館と秘書官がいる棟とは距離が遠すぎて意思疎通が難しいという点がありましたが、実はムン大統領は秘書官らと会って協議しやすいよう、与民館で勤務しているのです。ムン大統領の執務室は与民館の3階にあり、同じ建物の2階に秘書室長の事務室があります。そういった点でも、ユン次期大統領が挙げた執務室移転の理由には反発がありました。ちなみに与民館という名称はノ・ムヒョン大統領が付けたもので、その後イ・ミョンバク、パク・クネ政権では為民館(国民のための政府、国民を敬う政府の意)と呼ばれていましたが、ムン大統領が再び与民館としました。国民とともにする政府という意味です。

ふたりが庭園の「緑地園」を通るとき、ユン次期大統領がムン大統領から2、3歩ほど離れて歩き、あまり言葉も交わされなかったことから、やや気まずい雰囲気なのかと思われましたが、ムン大統領が、「常春斎(サンチュンジェ)」について、「常に春のように、国民が平安であることを願って付けられた名称ではないか」などと説明したり、「あそこに咲いている花は何か」というユン氏の質問に「山茱萸」だとムン大統領が答えるなど、常春斎に入るまで和やかなムードでした。

「常春斎」は今回晩餐会が開かれた場所で、1983年に完成した韓国の伝統家屋です。もともとここには朝鮮総督府官舎別館に当たる梅花室がありました。その後、イ・スンマン政権のときに常春室と名称を変え使われてきましたが、1977年に撤去されました。その翌年、1978年に新築されたのは洋式の木造の建物で、このときに常春斎と命名されました。それが1983年に伝統家屋に改築され、いまに至っています。青瓦台の中で唯一の伝統家屋で、海外からの来賓や非公式の会議会場として使われています。

晩餐会のメニューは、イイダコやトリガイ、アワビの冷菜、松の実のおかゆ、焼いたカルビ、焼いたアカムツ(ノドクロ)と即席キムチ、春野菜のピビンパ、アサリとほうれん草のテンジャン汁、白菜キムチときゅうりのキムチなどなどで、赤ワインが飲まれたということです。

晩餐をしながら行われた今回の会談は、特に議題などが決まっていたわけではありませんが、3時間近く続いたことから、いろいろなことが話し合われたのではないかとみられています。青瓦台内部では、いくら話が長くなっても2時間ぐらいで終わるのではないかとみられていたそうです。会談後、ユン次期大統領の秘書室長が会見した内容によりますと、始終和やかな雰囲気だったということです。

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