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ライフスタイル

「ノージャパン運動」終焉か

#マル秘社会面 l 2023-04-19

玄海灘に立つ虹


2019年7月、半導体素材3品目に対する日本政府の対韓輸出規制強化をきっかけに韓国で爆発的に盛り上がった「ノージャパン運動」(日本製品不買運動)

2023年の春を迎え、「ノージャパン運動」は終焉したのではないか、少なくとも酒類分野では終わったのではないかと思われる状況をまとめてご紹介したいと思います。

1.韓国のコンビニで日本のスパークリング日本酒が販売されることになりました。コンビニストアー「イーマート24」は日本の宝(たから)酒造のスパークリング日本酒「松竹梅白壁蔵 澪 MIO」を販売すると発表しました。澪は日本でスパークリング日本酒のシェア1位になった製品です。澪はこれまでもロッテマートやロッテスーパーなどの酒類コーナー、そしてロッテデパートや現代デパートなどでは販売されていました。しかしコンビニへの進出は今回がはじめてです。またイーマート24では1万ウォン台の特別価格で販売する予定です。ちなみにこの澪、日本では750mlが1225円で販売されています。

2.昨年10月までの日本酒輸入額は1722万ドル、およそ22億8700万円。これは、ノージャパン運動が始まる前に過去最高額をマークした2018年の22億1200万円を上回る数字です。輸入量も輸入額も2019年以降の3年間で最高値に達しています。2019年以降、ノージャパン運動や新型コロナ流行により輸入額ベースで日本酒の輸入は55%も減少しました。日本式の居酒屋でさえ日本酒の代わりにマッコリや韓国産清酒などの伝統酒を販売していました。それが日本のおまかせ料理が若者層に人気を得るにつれて、日本酒の販売も大きく増えています。日本酒の輸入・販売を手がける「日本酒コリア」の関係者は「新型コロナ流行を経て、おまかせ形式の高級飲食店が大幅に増えた。そして、そうした店で高級料理に合わせて高価な日本酒を飲む文化が定着した」 「輸入統計を見ると、以前は輸入品のうちパック入りのお手ごろな日本酒の割合が高かったが、今は10万ウォン(約1万円)を超える日本酒が増えている」と語っています。

3.関税庁の貿易統計によれば今年1月の日本製ビールの輸入額は200万4000ドルで、去年の1月よりも314.9%急増しています。日本製ビールの輸入額は2018年に7830万ドルに達し、過去最高を記録しましたが、その後のノージャパン運動により一時は2020年に566万8000ドルという13分の1にまで減少しました。アサヒ、サッポロなどの日本製ビールが一斉にコンビニやスーパーなどから姿を消しました。その後2021年から少しずつ増え始め、去年の輸入額は1448万4000ドル、最高だった2018年に比べればまだ5分の1の水準ですが、最低だった2020年に比べれば3倍弱まで増えました。

その他にもノージャパン運動が終焉したのではないかという状況は、例えばノージャパン運動の直撃打を受けた日本のファーストファッションメーカー、ユニクロの販売量が増えているとか、日本の自動車メーカー、トヨタとレクサスの販売がやはり増えているなどという話も聞こえてきます。しかしそれをそのまま喜んでいると言うわけにはいかないようです。酒類輸入会社の関係者は「日本に行く旅行客が行列しているほど日本に対する拒否感が薄れている中、日本酒に対する認識もノージャパン運動の時より良くなった」「それでもまだ政治的なリスクが残っているので、目につくようなプロモーションは日本酒輸入会社全体では自粛する傾向にある」と語っています。

ノージャパン運動の火種は常に残っているということでしょう。いつまた火が着くか分からないので、目立つような動きは控えるということです。

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