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ライフスタイル

秋の散策にぴったりな漢江近くの公園、その歴史

#ソウル・暮らしのおと l 2023-10-20

金曜ステーション

韓国は秋まっさかり。 樹々も少しずつ色づきはじめて、まさに行楽シーズンを迎えています。ここKBSのある汝矣島ちかくの漢江一帯も人びとで賑わっています。
漢江の川辺には、秋の散策にぴったりの公園がたくさんあります。いまでこそ緑豊かな美しい公園になっていますが、じつは、ひと昔前までは誰も近寄らないような場所だったところもあるんです。そんなふうに生まれ変わった公園2カ所を紹介します。

ⓒ SEOUL TOURISM ORGANIZATION
まずは、マポ区の漢江岸にあるハヌル公園とノウル公園。ここは昔、巨大なごみ埋め立て地だったのです。1978年に作られた蘭芝島ごみ埋め立て地には、ソウル市で排出されるあらゆるごみが埋め立てられました。1993年にごみの搬入が中止されたときには、なんと100メートル近いごみの山が二つもできていて、環境汚染がひどく、生き物の住めない土地となってしまったのです。

ⓒ SEOUL TOURISM ORGANIZATION
しかし、ごみ埋め立て地が閉鎖された後には大々的な浄化作業が進められました、とくにこの近隣にワールドカップ競技場が設立されることが決まってからは、このエリアを自然公園に作り替える大工事が進められました。そうして2002年、この一帯は5つの公園を含む広大なワールドカップ公園としてよみがえったのです。

ⓒ SEOUL TOURISM ORGANIZATION
二つのごみの山だった場所はすっかり緑に覆われ、「ハヌル(空)公園」と「ノウル(夕焼け)公園」として生まれかわりました。ハヌル公園は、秋にはススキ野原とコスモス畑が一面にひろがり、週末のたびに人々が大勢訪れる名所になりました。ノウル公園は「ソウルで一番美しい夕焼けが見られる丘」といわれてます。広い芝生やキャンピング場があり、レジャーを楽しめる場所です。ここ一帯の電力はすべて再生可能エネルギーが使われています。公園の頂上まで往復する巡回車は電気自動車で、メンコンイカーという愛称で親しまれています。メンコンイというのはジムグリガエルというずんぐりむっくりしたカエルのことです。

そしてもう一つ、生まれかわった公園として仙遊島公園があります。漢江の小さな浮き島の仙遊島は、昔は岩山に覆われた小島でしたが、日本の植民地時代には漢江の防波堤をつくるなどの目的で岩山が削られてしまいました。

ⓒ SEOUL METROPOLITAN GOVERNMENT
その後、1978年から2000年までは島全体がソウルの浄水場として使われていました。閉鎖後、すっかりコンクリートに覆われた廃墟となっていましたが、ソウル市はここを生態公園に作り替えることにしたのです。
ユニークなのは、浄水場の施設をすっかり取り除くのではなく、一部を残してそのまま活用しているという点。たとえば、水の沈殿物処理所だったところは、いまは水草が植えられ、水が浄化される過程を見ることができます。そうして仙遊島公園は、古いコンクリートの施設が木々や花に覆われた、独特な景観になりました。

ⓒ SEOUL METROPOLITAN GOVERNMENT
この島には漢江を渡る楊花大橋がつながっていて、入り口にはバスや車で行くことができますが、公園内に車は入れません。歩いて一周できるくらいの小さな島なので、ゆっくり散歩したり、温室の豊かな花々を観察したり、芝生でのんびりとピクニックを楽しんだりできます。

ⓒ SEOUL METROPOLITAN GOVERNMENT
「漢江の奇跡」といわれる高度成長期は、ソウルの開発が進む一方で、激しいい環境破壊が進むという影の面もありました。90年代以降、市民の間にも環境に対する意識が高まり、漢江のまわりもふたたび緑地が増えてきました。
いまでは人々の憩いの場所になっている公園の背景を知ると、その美しい風景がいっそう大切なものに思えてくるようです。

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