韓国、日本、中国の3か国による外相会談に出席するため釜山を訪れていた上川外務大臣は、韓国社会をより理解するきっかけになるとして、現地で韓国語のベストセラー小説を購入したことを明らかにしました。
上川外務大臣は28日午後の記者会見で、先週末に釜山を訪れた際、市内の書店で、ベストセラー小説「82年生まれ、キム・ジヨン」を購入したと述べました。
この小説について、上川外務大臣は、「韓国社会が大きく変動する80年代前半に生まれた女性を主人公とし、女性を取り巻く韓国社会の変遷や困難、差別を描写して、ミリオンセラーを記録した」と説明しました。
放送作家出身の小説家チョ・ナムジュが書いた「82年生まれ、キム・ジヨン」は、出産や育児でキャリアが断絶した専業主婦、キム・ジヨンが主人公で、日常の差別と構造的な不平等が描かれていると評価され、2018年には日本語にも訳されています。
上川外務大臣は、「外務大臣就任後、これまで6か国で、現地の書店を訪れ、文化や歴史に関する書籍を購入した」としたうえで、「今回購入したものは韓国語版なので、日本語の翻訳版も買いたい」と述べました。
また、「ある国でどのような本が読まれているかを知ることは、その国の文化や価値観を理解するきっかけになる」と述べ、今後の外交活動にも役立てていきたいという考えを示しました。
日韓議員連盟に所属している上川外務大臣は、韓国に詳しい政治家として知られていて、2007年に朝鮮通信使400周年を記念して開かれたシンポジウムでの演説で、韓日の歴史問題について、「対話を続けていくことができれば、過去の過ちを克服することは十分可能だ」と強調しました。