韓国経済に大きな影響を及ぼす、中国の去年の経済成長率は、目標値の半分に近い3.0%にとどまりました。厳しい感染予防対策「ゼロコロナ」政策と、ウクライナ戦争など、国内外の要因によるものとみられます。 
 
中国の国家統計局は、中国の去年のGDP＝国内総生産が前の年に比べて3.0％増加したと発表しました。これは、目標値の5.5％を大きく下回り、「文化大革命」によって混乱が続いていた1976年以降、2番目に低い成長率です。
 
下半期は経済状況が更に深刻になり、去年12月の輸出額は前の年に比べて27％減少しました。特に、中国の主要輸出品目の半導体は、去年12月、前の年に比べて38％減少しました。
 
中国は、「ゼロコロナ」政策を中断して国境規制を緩和しましたが、中国国内で感染者が急増したことで、中国からの入国者に対する水際対策を強化する国が増えており、しばらくは内需と輸出でともに厳しい状況が続くと予想され、ことし、中国経済が上向く可能性は低いとみられています。
 
 
過去の中国と韓国の成長率の動向をみると、中国が6~7%の成長率の場合、韓国はその半分を下回る水準の2～3％台の成長率を記録しています。
 
韓国銀行の李昌ヨン（イ・チャンヨン）総裁は、韓国のことしの経済成長率が1.7％を下回ると予想しており、中国への輸出が回復しない場合は、1％台の成長も危ういとの分析も出ています。
 
淑明（スンミョン）女子大学の申世敦（シン・セドン）教授は、「中国の景気低迷の影響で、中国への輸出がすでに大きく減少しているなか、アメリカの中国に対するけん制が徐々に強化されているため、これまで韓国経済にプラスとなってきた中国の代替となる国を探す必要がある」と話しています。