コウノトリの遺伝的多様性の保全をはかるため、コウノトリの卵4個が、韓国から日本に輸出されます。
文化財庁によりますと、文化財委員会はこのほど、コウノトリ生態研究院がコウノトリの卵の日本への輸出を許可するよう求めたことに対し、これを認める決定を出したということです。
これにより、コウノトリの卵4個が、今月中に多摩動物公園に送られることになりました。
コウノトリ生態研究院は、「コウノトリの遺伝的多様性の保全をはかることが狙い」と説明しています。
コウノトリ生態研究院は、2020年に多摩動物公園との間で、コウノトリとナベコウの保存に関する覚書を締結し、コウノトリの卵と黒いコウノトリ、ナベコウの幼鳥を交換することにしました。
今月中にコウノトリの卵4個を韓国から日本に送り、9月までにナベコウの幼鳥6羽が日本から韓国に届くということです。
コウノトリは、世界中の生息数が3000羽ほどと推測され、IUCN=国際自然保護連合によって絶滅危惧種に指定されています。韓国では、1994年に最後のメスが死んで、野生のコウノトリは絶滅したとされています。
文化財庁は、コウノトリ生態研究院などとともに、1996年からロシアやドイツからコウノトリを譲り受け、繁殖に取り組んでいます。
1999年には日本からコウノトリの卵4個を譲り受け、このうち2個をふ化させました。